表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
47/50

俺・理麻「これほど異様な光景もない」

私が通った学校は大体これがつきものだったんですけど・・・

全国共通なんでしょうか。

これをはたから見たら絶対異様としか思えません・・・


校庭に垂れ下がる国旗が、やや涼しい風になびく。朝から数発の花火が打ち上がる。色とりどりの鉢巻きが、ざっと校庭を埋め尽くしていた。いよいよ運動会の始まりである。


「なにが楽しくて一番前……」


ジャージ姿の理麻は、面白がる様子もなく、クラスの一番前に立っていた。少しサイズが大きいのか、袖やズボンの裾に余りがあるのが気にかかる。いや、気にしたくは無いのだが、隣に玲治が立つとさらにそのコンプレックスが際立つ。


「お前、横に立つなよ……」

「仕方ないだろ。俺も実行委員なんだし」

「ムカつく……」

「これは生れつきだから……」

「お前じゃなくて、あいつ」


そういって理麻が指を指し示す。そこにいたのはまばゆい金髪の黄金虫・・・……もとい、生徒会長である。


「ジャージに余りが無い……」

「ムカつく対象、なんか違わない?」

「違わなくない……」


この間にも運動会は着々と進められていた。校長の話から、今まで顔も知らなかった……というか、興味のかけらも無い来賓の話。運動会のルール説明。それが終わると準備体操でそのあと第一種目の50m走である。そして準備体操。校庭に流れて来たのは、あの朝6時半からラジオから聞こえるピアノの伴奏である。よく小学生が夏休み頑張って早起きしていく、あの体操だ。


「ラジオ体操とか、何年ぶり……つか、この学校金持ち学校だよな……」

「いろんな企業の坊ちゃん達がラジオ体操やってるとかうけるよな」

「お前もだろ」

「理麻の家には敵わねーよ」

「そうか?」


 体操が終わり、それぞれのクラスの応援席に戻る。


「そういえば、理麻はなんの種目に出るんだ?」

「それを聞くんじゃねーよ」

「は?」


 なんだって俺が2種目も出ないといけねーんだよ。


「理麻、一緒にがんばろ―な!」

「あ……うん……」


 そうだな、とりあえず俺をあの種目に勝手にエントリーさせた井上は殴っていいよな。それから、お前が今座ってるの俺の椅子だから。頑張って教室から運んできたんだぞ。お前の椅子はその隣だろう。俺の椅子の下に目印としてスポーツドリンク置いてあるんだよ。だからそこどけ。やめろ、抱きつくなあああああああああああ!!! 

次回はいよいよ種目で奮闘する理麻ですね。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ