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俺・理麻「さて、帰るか」

いい加減に夏休みを終えましょう。


そして新学期に移りましょう。

というわけで、最後にびしっとしめてください、閃夜さんw

 海の家休憩スペースにいた理麻のところに、副会長の歩と、書記兼会計の悠吾か現れた。二人は理麻のいる机まで来るとその向かい側に腰を下ろした。二人とも泳いでいたのか、髪からしずくが落ちていて肩にはタオルをかけている。


「ね、会長は?」

「えと……ちょっとお話してくるそうです……」

「誰と―?」

「僕の……友達とです…」

「理麻の友達?ふーん……」

「あっはは、隼人このかき氷食べたんだ―!やっぱ俺の思った通り、隼斗こういうの好きそうだからねー」

「そんなわけないでしょうに…。でも意外に平らげてる……」


すでにあの奇妙というか、この世のものとは思えないようなかき氷はなくなっていた。文句を言いつつも隼人が食べたのだ。


「アーアーもうすぐ夏休みも終わっちゃうよねー。心行くまで寝てられなくなるよー」

「先輩の場合、生徒会室でいやというほど寝てるじゃないですか。そのたびに会長の額に青筋浮かんでるの知ってます?」

「あっはは、それはいつものことでしょーに」

「あ……あの……」

「どうかしたの理麻ちゃん」

「僕、ゴミ捨ててきます……」

「一緒に行こうか?」

「え…だ…大丈夫だよ…これくらい……」

「理麻ちゃん迷子になったら迷子センターに行くんだよー。あ、呼び出すのは隼人にしてみたら?」

「そんなことしたらまた会長の額に青筋浮かぶじゃないですか。」

「ま…迷子になんて……なりません……」


食べ終わった容器を持って理麻は海の家にあるゴミ箱へと向かった。ゴミ箱に無事ゴミを捨てて、休憩スペースに戻ろうとした時だった。玲治と隼人の会話が聞こえてきてしまった。


『むかつくんだよ…あの篠宮の顔を見てると』

「え・・・・」


むかつくってどういうこと……僕…会長さんに何かしたのかな……


『まるで責められてるかのように思えてな。そしてそれ以上に憎たらしくて仕方ね―んだよ。たとえあいつとは赤の他人だとしても、俺は篠宮をそれこそ殺したくなるほどな』


そう言い放った隼人の表情は理麻はうかがうことはできない。だが、その言葉の声があまりにも低いものだったので、理麻は恐怖で青ざめた。それと同時に胸が痛く、息が苦しくなってくる。頭の片隅で、誰かが繰り返し叫んでいる。


『お前ら全員殺してやる―――――――――――――』

「いっ……たい……頭……割れそう……ッ……!!?」


強く閉ざした瞼の裏に火花が散り、頭に走る激痛により、理麻は意識を手放した。


「はぁっ……はぁっ……またかよ……」


意識を手放した理麻だったが、その場に倒れ込むことはなかった。再び立ち上がった時、頭の痛みも息苦しさもなくなっていた。そして、そこにいた理麻は口調も雰囲気も変わっていた。短く舌打ちしたその理麻は、その声がするほうへと歩いて行った。


 「楽しそうな話してんじゃねーか。俺も入れろよ?」

「り……閃夜……?」

「お前……」

「俺を殺すって?殺してみろよ。でも、俺はお前に殺されるような理由を作った覚えはね―んだけどな」

「お前にはなくても、この世に実際に存在するんだ。俺がお前を憎む理由って奴がな」

「へぇ、聞かせろよ」

「お前に話す気はない」

「殺される理由くらい知りたいもんだぜ?」

「勝手にほざいてろ……」


そういうと、隼人はそのまま踵を返してどこかへと去っていってしまった。


「相変わらずつまんねーやつ。なにあれ、もう片っぽの俺とずいぶん扱い違うじゃねーか。同じなのに差別とかひどくね?」

「閃夜…お前いつ……」

「今さっき勝手にくたばりやがってチェンジしただけだし。相変わらず心よわよわな俺だなぁ」


くくくっと笑う理麻。その横にいる玲治は浮かない表情を浮かべている。


「つか、やっぱ昼間は暑いな……俺やっぱ夜のほうが好きだわ。つーことであとよろしく」

「え…は…?ちょ……!!?」


いきなりかくりと崩れた理麻をあわてて抱えて支えた玲治。どうやら閃夜は再び理麻へと変わったようだった。少しして理麻は意識を取り戻す。


「あれ……玲治……?」

「大丈夫か理麻?」

「ん……僕何してたっけ……ゴミ捨てて…それで…………知らないうちに倒れちゃったのかなぁ?」

「だろうな。暑いから無理すんなよ。どうする、泳ぎに行くか?」

「せっかく海来たから行く。浮き輪……」

「海の家で借りればいいって紫音が言ってたな」

「浮き輪浮き輪―」


 浮き輪でぷかぷかしながら、理麻は先ほどの隼人の言葉を思い返していた。あの時玲治にはわざと呆けて覚えてないように装ったが実はしっかりと倒れる前のことは覚えていた。

 新たに生まれた不安と疑問とともに、理麻の夏休みは終わっていった――――

理麻と隼人の関係?にもいろいろありますね。

徐々に明かしていきたいと思います。

隼人はヤンデレとかではないと思います。というか作者がヤンデレって何?って感じなので、ひょっとしたら知らぬ間にそう取れる感じになってしまってるかもしれませんが・・・少なくとも殺したいほど好きとかじゃないです。というか、隼人は理麻のこと好きなのかさえ私もわかりませんw←

次回から新学期に入ると思います。

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