僕・理麻「理・・・理事長さん・・・・!?」
うん、いろんな意味で大丈夫かこの人って感じの理事長さん。
インテリ設定だけど・・・キャラがちょっと・・・あ、いい人ですw
最上階は、とても豪華だった。下にはクリーム色みたいなそんな感じのいろのふんわりじゅうたん。美術館みたいなきらびやかでいてどこか落ち着いた感じの壁と天井。ところどころに小さな可愛いシャンデリアが下がってて、高そうな花がこれまた高そうな花瓶にいけてあった。理麻はそんなこうけいにみとれつつ、理事長室へと続くフロアーを歩いていく。すると受付のようなところがあった。そこには受付の女の人がいて、理麻に気がついたのかにっこりと笑いかけていた。だが理麻はそれを見て身を固くする。鼓動が次第に早まり、不安いっぱいになる。
「あ・・・・あの・・・・その・・・・。」
「はい、理事長にどのような御用件でしょうか?」
「あの・・・僕、今日から・・・転校してきた・・・篠宮・・・理麻です・・・・。」
「篠宮様・・・・・・・はい、承っております。どうぞ、こちらからお入りください。奥へ進んでいただいて、右側のお部屋が理事長の書斎となっております。」
「は・・・はい・・・・。」
ぺこっとおじぎして理麻は先へと進んだ。なぜこんなたどたどしい口調になってしまうかというと、理麻は人見知り激しいのだ。どうも生まれつき人と話すのが苦手らしく、あまり話したことがない人や初対面の人とはさっきの様な話し方になってしまう。
言われた通り奥へと進み、右に回って木製の頑丈そうな両開きのドアの前に立つ。とんとんと軽くノックしたら、中から声がしたので、理麻は恐る恐る入った。
中もまたすみずみまでお金がかかってますって感じの部屋だった。ワインレッド色のじゅうたん、茶色い大きなデスク。黒い革張りのいすに座ってる人が、理事長なんだろう。何かの書類に目を通している。黒ぶちの眼鏡をかけていてとても頭よさそう。うん、仕事できそうって感じのひとだ。するといきなりその理事長は立ちあがった。おかげで理麻の心臓は飛び出しそうになった。そして理事長はそのまま理麻のほうに近づいてくる。そして、理麻はいきなり抱きしめられた。
「ふぇ・・・・・・・ええ・・・・・ええええ!?」
「・・・・・・・・おかしいな、いつもなら此処でげんこつか回し蹴りが来るのに、どんな心境の変化なのかな、『閃夜』。」
「え・・・・・・。」
閃夜ってなに・・・。人の名前?絵・・・・じゃ・・・それ僕じゃない・・・間違ってますよぉ・・・。
「あの・・・・僕・・・ちが・・・・閃夜・・・・じゃな・・・・。」
「え・・・?だって篠宮理麻でしょ?」
それは確かに僕・・・・・え・・・?
「確かに・・・・僕・・・・理麻です・・・・けど・・・・違う・・・です・・・・。」
すると理事長は僕から離れた。ほっとしてたらずいっと顔が近付いてきた。至近距離で顔を見つめられる。
「・・・・・・・・・・・・・篠宮理麻君?」
「は・・・い・・・・。」
「篠宮家って・・・双子とかいないよね?」
「一人っ子・・・・です・・・・。」
「・・・・・・・・閃夜ってほんとに知らない?」
「しり・・・ませ・・・・ん・・・。」
「そっか。そういうことね、我が甥っ子が言ってたのは。・・・・ごめんよ、いきなり驚かせたね。篠宮君、ま、そこ座って。紅茶でも飲むかい?」
こくっと、理麻はうなづいた。とりあえずもう精一杯だ。白いふっかふかのソファに座りながら視線を理事長に向ける。
「そういえば、一麻さんが、君は人見知りするって言ってたっけ。ごめん、無理させちゃったかな?」
フルフルと今度は横に顔を振る。一麻さんというのは理麻の父親の名前だ。
「無理しなくていいから、受け答えもそれでいいし。砂糖いる?」
「・・・・三つ・・・・。」
「み・・!?あはは、甘党?」
「(こくん)・・・。」
「ミルクもいるでいいかな?」
「(こくこく)。」
「はいどーぞ。」
「ありがとう・・・・ございます・・・・。」
理麻に紅茶を渡した理事長は、自らも白いふんわりしたソファに腰を下ろした。
「じゃ、あらためて篠宮理麻君。ようこそ、碧條学園へ。僕が此処の学園の理事長、暁圭吾です。さて、学園の説明は、一麻さんから大体聞いてるかな?」
「(こくり)。」
「それで、何か質問したいこととかある?」
「(ふるふる)。」
「ま、君の成績とか見る限り、此処でも十分すぎるほどやっていけると思うから、頑張って。その性格じゃ、なかなか大変かもしれないけど、僕も一麻さんに頼まれてるから、なんかあったら僕に言ってきてね。力になれるなら協力するからね。」
「は・・い・・・。」
「んー・・・とりあえず・・・僕はこれ以上ないかな・・・。寮のことは授業終わって放課後、寮長に聞いてね。寮長は3年生の、えっと・・・ああ、清水君か。清水君はいい寮長さんだから、安心して。はい、これ君の学生証。なくすといろいろ大変だから注意してね。」
「はい・・・・。」
「それで此処の生活すべてが賄えるから。お財布とか、身分証明、寮のカギにもなってるから。じゃ、そろそろ授業になるし、その前に一回職員室行って、担任・・・2-Dは橘先生ね。その先生と一緒に教室行くことになるかな。」
「はい・・・ありがとうございました・・・・。あの・・・紅茶、美味しかったです・・。」
「飲みたくなったらまたおいで。」
「(こくん)」
出て行こうとした理麻を理事長が呼びとめた。再び近くまで寄ってきてまた抱きつかれるのか!!と思った理麻だったが、違った。理事長は自分が掛けていたメガネをはずすと、そっと理麻に掛けたのだった。しかしくらくらすることはなかった。どうやらこれは伊達メガネというものらしい。
「あの・・・・。」
「かけてて。そのままじゃ、いろいろ不安だから。それは、君が此処で安心して過ごせるおまじないかかってるからね。寮の自分の部屋以外ではずしちゃだめだよ。」
「でも・・・・。」
「いいから、それは篠宮君にしか効かないおまじないなんだよ。僕は別になくても何の支障もないからさ。」
「は・・・い・・・。あの・・・しつれいします・・・・。」
なれないメガネに戸惑いつつ理麻は理事長室を後にして、職員室のある校舎へと向かった。
いきなりのハグ!!
うは・・・ちっこいこがギュってされてるのが好きなんです。すっぽり腕の中に収まっちゃってるのが・・・・たまんない・・・。
すみません、何書いてるんでしょうね。理事長も理麻の秘密を知ってます。
甥っ子のせいでね。甥っ子はもうちょっとしたら出てきます。