僕・理麻「においにつられて・・・・ふらふらぁ」
さて、これで出したいキャラは一通りですかね。
荷ほどきを済ませた僕は、ふらふらっと玲治の家を歩く。さっきからね、なんか甘い香りがするんだよ。このにおいは・・・・あれだよねあれ。僕でも作れるあのお菓子だよ。
「ふっわふわの~・・・・あ!やっぱり!!」
僕は見つけた!ダイニングの机の上にある出来立てなのか湯気がもうもうと上がったそれを!!お皿の上に三段乗せにされてて上にちょこんとバターが乗っかっててさらに黄色いはちみつたっぷりのそれは間違いない!
「ホットケーキだぁ・・・うわぁ・・・・おいしそ・・・・。」
お・・・おなかへってきたかも・・・おいしそうだなぁ・・・食べたい・・・食べたい・・・けど人の家だし・・・誰かのか分かんないし・・・だめ・・・だめ・・・だめだけどぉ・・・
「あぅ・・・たべちゃいたい・・・・。」
お皿の横に置かれたフォークに勝手に手が伸びていく。だがそんな理麻を後ろから止めた人がいた。
「はい、ストーップ!これでまだ完成じゃないんだな。」
「ふぇ・・・?」
がしっと後ろから理麻を抱き込んで手を止めさせたその人はアイスクリーム屋でよく見る、あの丸い独特のスプーンで、お皿のあいていたところに真っ白なバニラアイスを乗せた。すぐにホットケーキの温かさでとろりと溶けだす。
「うぁ・・・・おいしそ・・・・。」
「はい、これで完璧。食っていいよ、理麻。」
「え・・・これ僕の?龍治さん。」
ぐいっと首を後ろに倒す。頭が後ろにある胸に当たる。そしてその上にあるのはこの家の長男の龍治の顔。
「お前がいるってくそb・・・母さんに聞いたからな。腹減ってんだろくいしんぼめ。」
「う・・・これ見たらすいただけ・・・。龍治さん料理上手だもんね。」
龍治さんはお家柄なのか、料理全般が得意。特にお菓子の腕はぴか一。このホットケーキも、市販のミックスは使ってないで小麦粉とか自分の配合で作ってる。味はもちろんおいしいに決まってる。理麻はそそくさとホットケーキが置かれている前にある椅子に座る。そして器用に切り分けてぱっくんと口に運ぶ。
「おいひぃ・・・・。」
おいしいの食べるとほんとに自然と笑顔になっちゃうよねぇ・・・。うん、さすが僕の好きなデザートトップ5に鎮座してるだけあるよね。あ、前会長さんにもらったプリンもトップ5に入ってるんだよ。トップ5のうち、3つは龍治さんの作ったのだったりするほど、龍治さんの作るお菓子はおいしい。僕も自分で作れてらなぁ・・・。って、太っちゃうか。
「相変わらずうまそうに食ってるよなお前は。ちびなのも相変わらずだけどな。」
「むぅ・・・龍治さんとか玲治がおっきいだけだよ。僕は平均なの。」
「男子高校生のじゃなくて女子高生のな。」
「ぶぅ・・・。」
「なるほどなー。母さんが言ってた夕飯頼んだって兄貴だったのか。一個もらい!」
「あぁー!!」
理麻が切り分けたうちの一つを、今来たらしい玲治がつまんで口に運んだ。すでに二枚目も半分が無くなったころである。未練がましく理麻がそれを目で追った。
「玲治それ僕んの!!」
「どんだけ食うんだよ。一切れいいだろ。なんならアイスも食っちまうぞ。」
「やだっ!」
「相変わらずだな。そうだよ、今晩はおれが夕飯係。そういや、何がいいか聞いてなかったな何がいい?」
「なんでもいいぜ?」
「ハンバーグに、オムライスに、ナポリタンに、えっと・・・から揚げに、肉じゃがに、それから・・・・。」
「理麻ストップ!」
「ふえ?」
「やめて。それはおれでも死ぬわ。食堂で頼むんだな、学校の。」
「えぇ・・・まだ半分なのに・・・。」
「「はんぶっ・・・・。」」
仕方なくハンバーグに決めた。ちゃっかりデザートを要求するのは忘れないよもちろん。うわぁ・・・夕飯が楽しみだなぁ!
龍治さんは食品関係の大学に通ってます。将来は家を継ぐそうなので。
玲治はその点だと気楽ですね。
最初、理麻が龍治と話すとき敬語にしようかともったんですが、やめました。
龍治&玲治とは幼馴染という昔からのお付き合いがあるので敬語はあると変かなと思ったからです。それでなくても先輩とかいるから敬語理麻君多いのに・・・
龍治は理麻の胃袋しっかりキャッチしちゃってますね。