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僕・理麻「追いかけるのやめてー!!」


 東側にある東体育館に、全校生徒が集まっていた。鬼は赤いTシャツに黒いジャージの下を穿き、逃げる人は白いTシャツに黒いジャージの下を穿いていた。まだ始まっていないため、理麻は玲治達の傍にいた。


「真っ赤・・・・。」

「そういう理麻の顔は真っ青だー!」

「だ・・・だって・・・・。」


怖いよ・・・。鬼の人怖いよ。周りを敵に囲まれてるってこんな感じなのかな・・・。うーん・・・・。


「ま、どうしてももう無理だなって思ったら、俺んとここいよ。捕まえてやるから。」

「玲治・・・それ、だめだと思う・・・。」


というかそれってどっちみちつかまっちゃうってこと?


 理麻が首をかしげていた時、生徒会から、諸注意として、『校舎内は立ち入り禁止。あくまで学校の敷地のみが鬼ごっこの範囲である。つかまったら運営本部テントまで行って、つかまった人と捕まえた人の名前を記入すること。以上』という事が言われた。


「そっか・・・それであとでその捕まえた人の数が多かった人に特典がもらえるんだ。」

「そういう事だな。理麻、がんばれよ!」

「玲治も頑張ってね。」

「おう。頑張って理麻捕まえに行くから。」

「ひっ・・・。」

「俺もー!」

「え・・・・。」

「僕も捕まえに行っちゃおうかな?」

「遥君までぇ?」


逃げる側の人は鬼よりも十分早く体育館を出ることができる。遊びで十数える奴の拡大番だ。まぁ、敷地が広いからなのだが・・・。理麻は、玲治達にしばしの別れを告げ、とことこ体育館を出た。そして、どこか身を隠せるところはないかを探し始めた。最初から逃げ回る事は頭にない。どこかに隠れて最後まで見つからないようにしようと決めたのだ。この学校は広い。広すぎるほどである。だからこそ、隠れるところはいっぱいあるのだが・・・。


「あまりばれやすそうな所じゃ駄目だよね・・・・んー・・・。」


理麻はきょろきょろしながらも隠れられるところを探していた。すると、校内の至る所に設置されているスピーカーから、『ポーン』という音が聞こえた。


「これって・・・鬼がスタートしたっていう音?・・・どうしよ・・・早く隠れないと・・・よし、ここにしよ。」


そういって、理麻は近くにあった何かの用具入れと壁の隙間に隠れた。理麻の体型なら余裕で入れるところだ。理麻はどぎまぎしながらも、しばらくそこに身をひそめることにしたのだが・・・。





どたばたどたばた


「まてぇー!!」

「うひゃあああああ!!」



どたばたどたばた・・・・・・・・




 あちこちで逃げて追いかけてという音が聞こえてくる。いつここにいるのがばれてしまうか、理麻の心は不安でいっぱいだ。足が近付いてくるたびにびくびくし、離れていくとほっとする。そんなことを繰り返していた理麻だったが、再び足音が近づいて来ていてびくびくしていた。しかも、今回の鬼はいつまでたっても理麻が隠れているところの近くにいる。それも、声を聞く限り二人はいる。


「やっべーな。鬼ごっこったって、殆どの逃げる奴隠れてやがる。」

「もうかくれんぼじゃね?」

「そうかもな。しかも、すぐ見つかるようなとこには隠れてねーんだから、探すの一苦労だぜ。」

「そうそう、こういう誰も隠れらんないような隙間にいる・・・・いたぁ!!」

「ひっ・・・。」

「まて――――!」

「(ひぃぃぃぃぃぃぃぃぃ、見つかっちゃったよぉ!!!)」


二人の先輩らしき生徒に追いかけられながら、理麻は必死に逃げた。










そして―――――――――――





「おい、さっきのちびどこ行った?」

「ちっ、逃がしたか。あとちょっとだったのによ。」

「しかたね、また違う奴見つけるか。」

「ああ。それにしてもお前の勘ってよく当たるよな。」


先輩二人が遠ざかっていく音を理麻は傍の茂みの中から聞いていた。しかし理麻は一人ではなかった。


「急に・・・・足を踏むな。」

「あの・・・ごめ・・・なさい・・・。」


もう駄目かと思ってたら、足がもつれてバランスを崩した。そしてよろけながら茂みに突入してしまい、ギュムっとこの人の足を踏みつけた後、ばたんと倒れてしまった。


「謝ればよし。それに、追いかけられてたのなら仕方がない。だが、次は気をつけろ。」

「は・・・い・・・。あの・・・・。」


一個聞きたいんですが・・・・なんで枕が此処にあるの?


さて、誰でしょう。こんなとこでさぼってるのは!!


枕持参のあの男です。

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