僕・理麻「玲治も・・・怖いよぉ・・・」
まだまだ続く理麻の寮の話。
やっとしゃべります、仙道がw
ということで、僕は玲治と一緒に僕の寮の部屋、2427号室に玲治と二人で向かった。紫音君はおなかすいたからって寮のわきにある売店に行っちゃった。一緒にいてくれるんじゃなかったのぉ?
で、エレベーターで上に登って、とうとう理麻は2427号室に来た。いや、来てしまったと言った方がいいのかもしれない。
「あ、最上階は生徒会の専用階だから行っちゃだめだからな。一般生徒立ち入り禁止だし。まぁ、生徒会に許可もらったらいいんだけど、めったにないからなそんなの。」
「うん・・・。ねぇ・・・僕の同室の人って・・・どんな人?」
「・・・・・・・・・・・正直、あんま理麻には関わらせたくなかった奴。ほら、理麻のよこの席空いてたろ?」
「うん・・・。」
「そこがそいつの席。席まで隣かよ。ったくざけんなっつの。」
「ごめ・・・・・なさい?」
「あ、理麻に言ってないから。仙道に言っただけだし。」
「そう・・・・。」
「あんま嫌だったら俺と部屋交換するか?俺の同室生わりといい奴だし、仙道に比べたらずっとましだぞ?」
「ううん・・・玲治にそんなに迷惑かけらんないよ。それに・・・僕もこのままじゃ駄目だなって思うから・・・がんばってみる。」
頑張ってどうにかなるならいいんだけどな・・・と玲治は内心思った。
「でも、理麻じゃあいつとは絶対に無理だと思うんだよなぁ・・・。話した瞬間倒れたりするかもだし・・・。」
「どんなひとなのそれ・・・。」
「お前ら、邪魔だそこどけよ。何だって俺の部屋の前で突っ立ってんだ、あ?」
後ろから聞こえた第三者の声に、玲治は顔をしかめ、理麻は盛大に驚いてしまった。振り向きもせず、すでに振り向いていた玲治の後ろに隠れた。
「此処に用があるからに決まってんだろ?大体ここは今日からお前だけの部屋じゃねーんだよ。」
いつもよりどすの利いた声で玲治が話す。いつもとは違う玲治に理麻はびくびくし始めて、思わず玲治の背中に縋りつく。おでこをぴったり玲治の背中につけてなるべく小さくなっているため、相手の顔が見えない。
「そういや・・・。ふーん、じゃ、そいつが・・・ねぇ。」
玲治越しに見られている気がして理麻の心臓はさらに早く鼓動した。
「ま、俺にはどうでもいいけど。五月蠅くしたら殺す。」
「やってみ?お前じゃ無理だね。」
「此処でやっても良いんだぜ?」
「やってみろ。」
「・・・・・・・・・・・・ふん、いつ見ても憎たらしい面だぜ。」
「そりゃどうも。」
「今度会ったらぶん殴る。」
「じゃ、会わないように気をつけねーとな。」
ばたんと音がして寮のドアが閉まった。それでもまだ理麻は玲治の後ろから出てこれないわけで・・・・。
「理麻、大丈夫か?つかそれじゃ大丈夫じゃないだろ?」
「れ・・・いじ・・・・怖い・・・・。」
(やべ・・・ついいつもの夜の調子でしゃべっちまった。こっちの理麻じゃなれてねーもんなぁ。半分俺のせい?ちょっと傷つくわ・・・。)
「ごめん。怖がらせたな。でも、もう大丈夫だからな?」
「ん・・・・あの人が、僕とおんなじ部屋の人?」
「あぁ・・・ほんとに今のうちだぞ?」
「でも・・・もう決まったことだし・・・僕だけが寮の部屋好き勝手に変えるなんてずるいから・・・。大丈夫だよ・・・・。」
「理麻・・・・・。俺、あっちの二つ隣の部屋だからな。なんかあったらいつでも来いよ?・・・・っやっぱ俺も中まで行こうか?」
「いい。玲治来たら・・・怖いよ・・・。」
(相当怖がられてんな・・・・・。せっかくこっちの理麻の前じゃ優しい玲治で貫いて来てたのにあのくそ仙道め・・・今度会ったらぜったいぼこす。)
「わかった。夕飯一緒に食いに行こうな。荷ほどきひと段落したら連絡くれよ?」
「連絡・・・・無理・・・・。」
「そか・・・お前携帯音痴だったな。」
理麻は現代っ子に珍しい携帯全く使えないという特技(?)を持っているのだ。おかげで一応持ってる携帯も今はたぶん寮の部屋の段ボールの中に入ってるだろう。携帯って言葉知ってるか-と言いたくなるが理麻だから仕方がない。
「・・・・なら終わったら俺の部屋来いよ。それでいいだろ?」
「うん、わかった。じゃ、あとでね。」
「ああ・・・・・。」
2427号室の中に消えていった理麻を心配顔で玲治は見送った。
「ばれなきゃいいけどな・・・・理麻の正体・・・。あ・・・眼鏡外すなって言うの忘れた・・・・。ま、大丈夫だろ・・・うん・・・。」
そういって一人納得した玲治もまた自分の部屋に戻っていった。
部屋に入ってすぐに理麻が彰に口を手で封じられドアに押しつけられているとも知らずに・・・・。
あ、微妙に理麻君ピンチですね。
玲治気がつかず!!!理麻の心臓が止まってしまわないかが心配です。