SIDE-B 1
*「プルル、プルル
*(この呼び出し音には聞き覚えがある)
その男は悩んでいた。
*「というか、さっきからずっと鳴ってる。果たして取るべきか、それともスルーすべきか
その判断を待つことなく音は消えた。そしてまた同じ音が鳴る。
*「プルル、プルル、プルル、プルル、プルル
*「分かった分かった。なんだ、アシバ?例の件か
アシバ「ホットラインを5分も待たすなんて、どうかしてるぞおまえ
*「質問に答えてない。例の件でないなら切るぞ
アシバ「ちょ、あの件だよ。アージュはशाक्यमुनिに頼めないなら自分で行くと言ってる。あいつはशाक्यमुनिに頼むのは気が進まないんだよ
*「じゃあ、追加の観測データはあるか
アシバ「ない。あれで頼むしかない。揺らぎが大きくて観測自体ができてないんだ。あいつが心配してるのはそこなんだよ
*「あんな根拠の薄いもので納得いただけると本気で思ってるのか
アシバ「ダメならアージュの代わりにおれが行くよ。いつ帰って来れるかわからないけど、腹は決めてる
*「お前の覚悟は分かった。ダメだったら二人で行こう。それと、免状は今も変わらないか、それを確認したい
アシバ「ウパリ。なんていいやつなんだ、おまえは
ウパリ「いいから、免状の変更差分があれば送れ
アシバ「変更はある、いい方向にだ。お前の要求が通った。というか、おれがむりくり通した
ウパリ「差分を確認した。いい材料だ。最後に聞かせてほしい。これは今しか出来ないことなんだな
アシバ「そうだ。さっきも言っただろ、今やらないと今後できなくなる可能性が高い。これはアージュとおれの共通認識だ
ウパリ「仕方ない。頼んでみるが、確約はできんぞ。結果は追って連絡する
アシバ「なんていいやつなんだ、おま
ウパリ「はぁ。しかし、どう切り出したものか
男はそんなことを言いながら冷蔵庫からジップロックを取り出して、いつのまにかニヤけている自分に気づく。
ウパリ「はっ!嬉しいなどと思ってない。思ってないぞ。これは本島の要請。故にこの最新作を選ぶのは必然。そう、必然なのだ。
男は昨日の日付が書かれたジップロックから人型のクッキーを出して大型の電子レンジに入れると、慣れた手つきでスタートボタンに指を当てた。
ウパリ「いや、待てよ。久しぶりの再会で、この髪型はまずいのでは?
脚本家?「学長!今からでも間に合いますか?!
*「ピッ
という音とともに電子レンジが起動し、その後ろに接続された何本もの冷却パイプが音を立てて外れていく。
学長「しまった。怒られるかも
NOW LOADING....
観測先端域:ウサゲイドが観察しているその星の未来のうち、すでに確定した世界線における最新の領域を指す。表記形式は月の年代ではなく、そのリージョンで一般的に用いられている年代(例:現時点ではB.C./A.D.)を使うことになっている。ちなみに、現時点のリージョンはAD21C、もしくはAD2025と表す(毎年正月に実状を確認して修正すること!)。時代が進むにつれて観測域のレンジが広がり、より多くの世界線がより遠くまで見通すことができるようになるが、遠見の原理が分かっていない現在の科学では、その相関関係を説明できていない(まあ、小学生レベルの話ではあるな)(文章が稚拙なとこもあるが、ツッコミどころ特になしとする。逝ってよし!)(規律屋乙)。また、現代の遠見に頼った観測学では観測先端に近いほどぼやけて見えるため、確定/未確定の明確な線引きができない。そのため過去には、複数のウサゲイドが遠見のフォーカスを合わせることでレンジや解像度を向上させる試みが本島によって何度も計画されたが、いずれも失敗に終わっている。
「よって、本実験の被験者を広く求める。参加者にはジャムぱんとコーヒー牛乳を無料進呈するので奮っての参加を願う→やばいヤツらが来た!にげろー




