解説回
【用語解説】
◆ 身分
貴族:領主階級以上をいう。
目安として地主階級の30倍(概ね500ヘクタール)以上領有することが
騎士階級との境い目。
平民:自由人。騎士階級は自由平民の最上級だが
準貴族とも呼ばれ、境目は曖昧。
準貴族/領地を持つ地主/従属民から解放された無産平民;という3区分は
厳然してと在るが、無産平民の中には大貴族の腹心で官僚化した者が
少なくなく、随所で立場の逆転が起こっている。
非自由民:主にかつて征服された部族の子孫。多くは農奴だが、奴隷ではなく
どこか知らないが異世界の社畜階級に近い。
もと貴族(的)だった者は今でも富裕層で、彼らは自由平民を10とすれば
9の立ち位置にある。
この数値は、事故で死なせた場合の慰謝料の相場に基づく。
市民:自由都市コミュニティの構成員。自由人。市政参事以上の役職経験者は
慣習的に準貴族として扱われることが多いが、国家は農村支配を基盤とする
封建制上に成り立っているので、都市生活者が整然と収まらない。
騎士:騎士階級(騎士になれる資格保持者)は世襲だが騎士は世襲でなく
上位の貴族から叙任されることで騎士となるという一代限りの身分。
祖父母4人とも騎士階級であることが条件だが功績による特例も有る。
地主階級より3倍以上の領地を持つという資産要件は
私有財産を持たない修道騎士の発生により実効性を失った。
領地:家系固有の世襲領地と主君から賜与されて世襲する領地がある。
領地は勝手に売却できず、代替わりのたび契約更新する必要がある。
封建制度
領地の賜与を媒介とした身分秩序
国王/神聖諸侯/世俗諸侯/領主/騎士/騎士の家臣/そのまた家臣
という7階梯がある。盾の序列と呼ばれる。
主君と家臣という一対一の契約関係の連鎖であり、いずれか一方が死亡すれば
その都度に契約の更新が行われる。主君は正当な理由なく更新を拒むことは
出来ないが、君臣関係が解消されれば賜与された領地の返納が必須となる。
神聖諸侯
大領地を持つ教会勢力の長。独身なので世襲は無い。
世俗諸侯
五等爵の公・侯・伯(の一部)などに翻訳されているが封建身分としての上下は
無い。生得身分は領主階級で、国王から御旗を授与されることで諸侯となる。
領主
五等爵の伯・子・男などに翻訳されているが、同じ第四階梯なので、例えば
男爵が伯爵の家臣(封建身分上で)と言うことは無い。
話中でそのような関係が登場するが、それは血族の中での宗家と分家といった
序列である。つまり、男爵が伯爵から土地をもらうのは相続上の財産分与で
封建的な賜与とは違う。
騎士
身分の項で既述。
第五階梯を騎士と呼ぶのは実は間違いで「騎士になれる資格保持者」または
参審自由人と言うべきであるが、煩雑なので騎士と言ってしまう。
裁判制度
原則的に、同じ身分のもの同士が訴訟で争い、それと同じ身分の者が裁判員を
務める。上級身分者が判事を務めるが、裁判員の評決結果を判決として宣言
するのみ。これは裁判制度が私的闘争の調停制度であった名残りである。
血の出る刑罰は国王の特権であり、国王の任命した判事が伯爵の職務であり
騎士に死刑判決を出すことが出来る。伯爵から治安判事に任命された者は、騎士
身分未満の自由人に死刑判決を出すことが出来る。
これ以外の者が行えば、それは違法なリンチである。
なお、非自由人の不法な殺害や掠取は器物損壊や窃盗の一種だが、量刑は死罪。
また、非自由民への所有権には時効制度があるため、集団逃亡されると所有者は
痛烈な財産的被害を被る。このため、所有者による非人道的な行為は多くない。
意外に平等。
本編は本日夕刻にUPします。




