223回用蘊蓄
本編の続きは一時間以内にUPします。
蘊蓄回です
<223本文1>
「それで継母は先妻の産んだ娘を虐め抜くのですわね! 奉公人にように扱き使い暮れ過ぎに凍て付く戸外遠くの井戸まで水を汲ませに遣るのです。それで幼い娘は重い水桶を如何にか持って蹌踉けながら歩いていると、突然その重い重い水桶が不図軽くなる!」
・・・
「幼い娘、見上げると其処には白髪氏が桶の取手を・・」
<本文ここまで>
ご存知モノ『レ・ミゼラブル』コゼットとの邂逅がネタ
<223本文2>
何処ぞの有名な天下人が旧主の姪御様を娶って三十二歳差と聞くが、それより有るだろう。
<本文ここまで>
どこぞの異世界の太閤さんと淀殿こんな感じ。
<223本文3>
「だから、大人になった虐めっ子は報われぬ愛に生き、愛に死んじゃうのですわ。儚く散っていく逆転虐めっ子ヒロインが満座の紅涙を絞るのです」
<本文ここまで>
ご存知モノ『レ・ミゼラブル』のエポニーヌがネタ
ヒロインをいびる悪の里親テナルディエ家から出た反ヒロイン姉弟がパリ・コミューン騒擾の中で大逆転。いい子ちゃんヒロインのお株を奪う話。
<223本文4>
「思いますにその継母、娘に母の影を見たのです。形を変えた『うはなり嫉み』に相違なきかと。
・・・」
<本文ここまで>
宇陀の高城に鴫罠張る
我が待つや鴫は障らずいすくはし鯨障る
前妻が肴乞はさば
立ち柧棱の 実の無けくを扱きしひゑね
後妻が 肴乞はさば
柃実の多けくを許多ひゑね
『久米歌』(記9番歌謡、紀7番歌謡)
大昔から男ってこんなものだ。前妻は夫にでなく若い女の後妻に怒る。
ご興味ある向きは折口信夫あたりをどうぞ。
捨てられ離婚された女が後釜の若妻を襲撃する『うはなり討ち』の風習はかなり長く続いたようだ。
昔の女は他人の力を借りて「ざまぁ」などとは言わない。自分の力で物理的に討ち入りするのである。




