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205回用蘊蓄

蘊蓄回です。


<205本文1>

傭兵ヘルマン、強めの黒麦酒を呑みながら愚痴る。

<本文ここまで>

現実に「強めの黒麦酒」はベルギーやオーストリアで度数11〜14%くらいのものが有る。

これを1パイントぐっと呷ると日本酒にして二合強から三合弱くらい一気飲みしたくらい酔う。


<205本文2>

「そうですね。しかし我ら『剣の兄弟』スヴェルトブルッダ団の戦争は違います。パンツァーを纏って何処までも征きます。異教徒との戦争はいつまでも続きます」

<本文ここまで>

映画”Battle of the Bulge”1965 でロバート・ショー演じる独軍戦車隊長へスラー大佐のセリフが元ネタ。


<205本文3>

 他の修道騎士たちが足を踏み鳴らして歌い始める、

 嵐も雪も灼熱も なにするものぞ我は征く ♪

   暴風を冒し騎行する我ら 装甲騎士パンツァライタは驀進す ♪

                   * Panzer: 装甲 Panzerreiter: 装甲騎士

<本文ここまで>

上記映画で戦車隊の青年将校たちが『戦車隊の歌』Panzerlied を歌い出すシーンが元ネタのご存知モノ。

ちなみに東方騎士団のモデルはバルト海沿岸地域の諸国を攻めた、いわゆる北方十字軍。

映画『アレクサンドル・ネフスキー』1938に登場するプスコフの十字軍=ドイツ騎士団(史実ではドイツ騎士と合併前のリヴォニア騎士団:剣の兄弟団)は明らかに第三帝国のドイツ軍のメタファー。

プスコフの町で虐殺を行ない、さらにノブゴロドに迫ってアレクサンドルに撃退される。十字軍司教の冠にしっかりハーケンクロイツが付いていて露骨。

この映画の監督エイゼンシュテインはリヴォニア騎士団の支配地域だったラトビア(映画制作当時はソ連)生まれのユダヤ・ドイツ系ソ連人。


<205本文4>

 朝の礼拝と法話が終わる。かの脇役メイド名はマグダ、告解室の前で独り静かに順番待ちをしている。

<本文ここまで>

Mägde, Dienstmägde: メイド、女中

作中では、よくある名前 Magdalenaと似ているので、この職業の女性に固定的にこの名前を命名している。

ちなみに作中では、暴行被害者となる女性には固定的に Lucretiaもしくはその派生名を命名。



<205本文5>

「この世には、常に悪を欲して却って善を成すべき者も有ります。その子供は病に倒れ伏しましたか?」

「いいえ、健やかでした」

<本文ここまで>


Johann Wolfgang von Goethe

Faust:

  ...

  Nun gut, wer bist du denn?

Mephistopheles:

  Ein Teil von jener Kraft,

  Die stets das Böse will und stets das Gute schafft.


森鴎外訳

    ファウスト

・・・

そんならい。一体君はなんだ。

    メフィストフェレス

常に悪を欲し、却て常に善を為す、彼力の一部です。








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