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179回用蘊蓄。
蘊蓄回です
<179本文1>
「なんか『クサいものに蓋』っぽいなあ」
「そりゃ遺体、だいぶ傷んでたからな、ひとの価値は棺の蓋閉じる時に決まるって言うけど、その評価が『クッセー、バタン』は切ないなぁ」
<本文ここまで>
「丈夫蓋棺事始定、君今幸未成老翁」(杜甫『君不見 簡蘇溪』)
<179本文2>
「悪魔みたいな奴だな。趣味はスパイみたいだし」
「なんでも知ってる訳じゃないさ。色んな事を知ってるだけ。
<本文ここまで>
Faust:
Das Spionieren, scheint's, ist deine Lust.
Mephistopheles:
Allwissend bin ich nicht; doch viel ist mir bewußt.
ファウスト
ふん。君は探偵が道楽だと見える。
メフィストフェレス
わたしは全知ではないが、大ぶいろんな事を知って居ますよ。
(鴎外訳『書斎:ファウスト 狗を伴ひて入る』の場)
なんだか有名なラノベの、化け猫のセリフに似ている気がするのは、気のせい。




