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177回用蘊蓄

 蘊蓄回です


<177本文1>

明朝埋葬予定の三人の棺を前に、遺族と御徒組隊士が『見守りの儀』。

<本文ここまで>


 『お通夜』に当たる、「夜通し起きてる死者の見守り」という名詞 "wake" は15世紀から有り、その意味での動詞も13世紀から有るようだ。見張りのwatchと同じ語源で古英語 "wacu"からきているのでカナ表記は『わっけ』にした。



<177本文2>

「あの旦那、絶対あの小姓とやってますよね」

「お尻で・・かな」

「唇が気持ちいいって言ってましたよ」

<本文ここまで>


 創世記でソドムの市に二人の天使がロトを訪ねたとき、ソドムの民衆がロトの家を取り囲んで

“Ubi sunt viri, qui introierunt ad te nocte? Educ illos ad nos, ut cognoscamus eos”. (Vulgate Old Testament; Gen 19.5)

"Where are the men that came in to thee at night? bring them out hither that we may know them:


という。ロトが庇って、代わりに自分の娘を差し出すから、彼らに手を出すなと言う。

"Ecce, habeo duas filias, quae necdum cognoverunt virum; educam eas ad vos, et facite eis sicut placuerit vobis, dummodo viris istis nihil faciatis; ideo enim ingressi sunt sub umbra tecti mei”. (Gen 19.8)

"I have two daughters who as yet have not known man : I will bring them out to you, and abuse you them as it shall please you, so that you do no evil to these men, because they are come in under the shadow of my roof."


ここで

"ut cognoscamus eos" (that we may know them)

彼らを『知りたい』という要求に対して

娘は "quae necdum cognoverunt virum"

男をまだ『知らない』(=処女だ)、それを好きにしていいから、との代替案提示。

つまり、この『知りたい』は『やりたい』なんですよねソドムの皆さん。

天使ですから中性的で美しい二人ですよソドムの皆さん。


しかし聖書はソドムの皆さんがお尻を知りたいとは言っていません。

しかもこの話は、イスラエル全支族を敵に回したベニヤミン支族が滅ぼされかける話とそっくりです。(士師記19.22-28)そこでは婦女暴行致死で深刻な支族間抗争が起こります。ベニヤミン討伐決議に参加しなかっただけで処女四百人だけ種族保存用に残して滅ぼされた町もあったくらいです。

この支族間抗争の方が史実だとしたら、より伝説っぽいソドム滅亡の原因「天使とやらせろ」事件は、この婦女暴行致死事件の逸話を流用したのではないか、という疑問が湧いてきます。


一方で、中世の贖罪規定書には唇えっち、太腿えっちなどの贖罪が定められているのに、お尻えっちの贖罪が見当たりません。


結論:しりません。



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