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176回用画像

挿画に代えて史料を紹介します。


《176回本文》

「あちらさん、ドン・マルティネスを呼び寄せて逗留させてます」 

 小姓、ハスキーな声。

「ふん・・切り札ちら付かせるとは気が早い。内心相当焦っておるな」

「いや、密かに隠し持ってる積もりでしょう。毎度の脇の甘さです」

《本文ここまで》


相手が

「決闘裁判に持ち込むぞ」という恫喝を最後の手段にしようとしていると

謗っている会話


挿絵(By みてみん)

Sachsenspiegel-Heidelberg版装飾写本より

030r

ラント法 III 91 § 2

中世の装飾写本(ハイデルベルク大所蔵)に基づく画像加工


左より原告と代言人、被告、裁判官(伯爵)

裁判官が被告の首を掴んで決闘Zweikampfを勧告。

被告は左手指を立てて勧告に抗議している。


そもそも、何もかも力づくの喧嘩で決着をつける部族社会以来の伝統をなんとかしようと「暴力でなく言論で闘争する」という代替手段が訴訟だと極言していい。

だから訴訟は同等身分者どうしで争うものであり(でないと、プロ戦士と農夫が決闘するのと同じで不公平)同等身分者が集まって調停案を出し(裁判員の淵源)上位身分者が最終調停案を承認するのだ。

お白洲で偉いお奉行様が裁くのとは違う。

この調停案(判決)を受け入れないなら『判決非難』として裁判員全員と決闘することになる。


また、証拠不十分などで調停不能の場合、裁判官が原告vs被告の決闘を勧告する。(図)

ローエングリン伝説の悪役テルラムント伯のように一方が強すぎると中々ベットが釣り合わないというドラマになる。







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