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162回用蘊蓄2
本編は夕刻UPします。
蘊蓄回です
<162回本文>
「それよ。君臣木魚ってぇやつだ」
「なんだそりゃ」
<本文ここまで>
『君臣木魚』は『君臣水魚』ネタだが
『君臣水魚』は出典と言われる諸葛亮伝にはそのまま出て来ず「孤之有孔明、猶魚之有水也」の形。
『君臣水魚』で熟語になるのは後世のことだ。
君臣仲良くて結構だが『水魚』を『木魚』に変えてポクポク南無阿弥陀仏にした。
「あんまり仲良くて殉じちゃわないようにね」というもじり話。
しかし『木魚』というと、仏具の『木魚』よりも孟子梁恵王篇上の『縁木求魚』が思い出されるだろう。
だがこれは「縁木求魚、雖不得魚、無後災」である。
「やっても無駄だけど無駄なだけで後に災いはあるわけじゃない。やったら無駄な戦争は災いだけ残る」という、まだマシな方の例である。
このお話、果たして災い、残らないでしょうか。




