147回用蘊蓄
《147回本文》
「でも気になるのよ。あいつの口走った暗い闇の妖精・・薔薇の唇に百合の白肌と咲き誇る黒髪のカール・・なんか聞き覚えがあるの」
《本文ここまで》
ヴィーナスの山に行っちゃった騎士タンホイザーは懺悔に行った先でウルバヌス教皇相手にヴィーナスを賛美してしまう。
- ihre Rosenlippen(薔薇の唇)
- schöner liljenweißer Leib(百合のように白い肉体)
- Die blühend schwarzen Locken(咲き誇る黒いカール)
などHeinrich Heineが "Der Tannhäuser"(1836)で使っている語彙のパクリなので「なんか聞き覚えがあるの」である。
ウルバヌス教皇の答えは
Tannhäuser, unglückselger Mann,
Der Zauber ist nicht zu brechen.
Der Teufel, den man Venus nennt,
Er ist der Schlimmste von allen;
Erretten kann ich dich nimmermehr
Aus seinen schönen Krallen.
《146回本文》
「哀れなクルト、その魔法は解けない。ヴィーナスと呼ばれる最強最悪の悪魔だ。なんぴとも、その美しい爪から逃れられない・・」
《本文ここまで》
ほぼ、まんま。
ちなみに教皇さんも「美しい」って言っちゃってますね。




