157/383
135回用画像
挿画に代えて史料を紹介します。
《135回本文》
ちなみにベルトから股間真ん中に短剣を吊るすのは、よくある。ぶらぶら邪魔でないのだろうか。
「・・『アレ斬られないように』って誰か言ってたわね」
変なことを思い出す。
事実、衛兵の使う斧鉾術では、よく股下から斬り上げて来る。止血しにくい太い血の管の有るあたりが狙いらしいが。
《本文ここまで》
短剣の装着
図右
Tacuinum sanitatis 『健康全書』より
図左
Les Grandes Heures d'Anne de Bretagne
『アンヌ・ド・ブルターニュの時祷書』より
出典:共にフランス国立図書館蔵パブリックドメイン画像
なぜかベルトに差さず、ぶらぶら下げています。しかも中央に。
大動脈を保護という理屈はそれなりに説得力あるものの、図左は農作業中の農民です。防御的観点があるとは思われません。現に装甲をつけ武人が腰のベルトにしっかり差している(既出『ゴドフロア・ド・ブイヨンの肖像』ほか)など例も見てきました。
なぜ、真ん中ぶらぶら?
謎です。




