128回用蘊蓄
本編は夕刻にUPします。
蘊蓄回です。
<128回本文>
「こんな話がある。むかし無双の騎士があった。生涯に決闘で斃した敵の数なんと八十」
<本文ここまで>
109回でホラティウス司祭が夜の酒場で滔々と語っていたエッダ『ヒルデブラントの挽歌』(Hildibrands Sterbenlied)と同じ物語。
語り手の視点が違うとずいぶん違って聞こえるという話。
戦士ヒルデブラントはフィヨルド近くでベルセルクの如く怒り、生き別れの我が子を手に掛ける。
その後、リン(ライン)川の畔で戦士アスムンド(実は兄)に敗れて死ぬ。
Oc er Hildibrandr frá þetta, at kappar hans vóro
drepnir, þá kom á hann bersercsgangr......
ここではヒルデブラントはフン族の戦士と呼ばれている。彼は東ゴート人あるいはランゴバルド人で、ベルン(ヴェローナ)のディートリッヒ(東ゴート王テオドリック)に仕えてアッティラの下に居たからである。あくまでも伝説だが。
ドワーフはdvergと綴られているので綴りに近い表記とした。




