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リアルにて

朝起きて、まぶしい光が、目に入り込むと、チャイムの音が聞こえてくる。何だなんだ、やべぇ、この姿どうにかしねぇと、


「おーい!俺だよ!裕介だ!」


そういえばそうだった。昨日そんな話をしたなと思い扉を開けると、なぜか裕介のお姉さんが来ていた


「うおっ…改めて現実で見てみると実感わくな…それにしても可愛いな。後、前を隠してほしい…」


裕介はスッと横を見た


「おい、どこ見てんだ弟よ」

「本当にすまん」

「いや、それは俺が悪かった。ところで何で優理さんが?」

「それは私がねー弟が唐突に姉ちゃんの服貸してっていうもんだから何かと思って無理やり話を聞いてみたら、葵君が女になった!なんて言われたらねぇ…頭がおかしくなったと思ってついて来てみたんだよ。で、君は誰かな?まさか本当に葵君ってわけじゃないと思うけど?」

「本当に葵なんだよ!姉ちゃん!」

「その通りだよ、俺が葵だ」


そう言った後に?となっていた俺は昨日起きたこと、そして有休合わせて4日を今とっていることを話した。そして、裕介は何かを言われた後、サッと部屋から出ていった。


「なるほど…にしても本当にかわいくなったよねぇ…胸も私より大きいし。私、結構自信あったんだけどなぁ」

「やめてくださいよ…唐突にいろいろ変わりすぎて俺も困っているんですから」

「ところでブラとパンツは?まだないよね?」

「えっ!ブラ?…それっているのか?」

「いるに決まっているでしょ!つけないと形が崩れたりして大変なんだから!葵ちゃん!」

「葵ちゃんはやめてくださいよ…でもやらないといけないのか…はぁぁぁ」

「女物の服も買いましょう。取り敢えず家から持ってきたVRがあるから一緒にネットスーパーで買いましょう」

「は、はい」


そう返すと、俺はVRに入り込み、優理さんもVRを付けた。60年前ぐらい前には実際にスーパーマーケット?に行って試着をしていたようだが、今はVR内で現実の姿をアバターとして試着して買うことが出来る。


「うわぁ…ここが女性用ネットショップか…うぅ」

「葵ちゃん。じゃあ、自分に合うものを選んで買ってね。私も手伝ってあげるから」

「うぅ…はい、わかりました、ありがとうございます」


そうして優理さんの監督の下、一部着せ替え人形になりながら服選びと…アレらも選び終わった。また一つ、俺の中の何かが崩れ去っていくような音が聞こえた気がした。やっと買い物を終え、現実に戻ると、優理さんがこっちによってきて


「これで服は大丈夫、日用品は私の方で買ってあげるから安心してね。で、問題は仕事だよね?そっちボイスチェンジャー使ってテレワークでいいんじゃない?」

「あっそうですね!助かりました!」

「あと、コレ、私のフレンドコード。これがあればあっちでも相談できるよ」

「わ、優理さんもファンタジアオンラインやってたんですね、ありがとうございます!」

「ところで…私、頑張ったから報酬が欲しいのよね。あー、何かないかなー?」


これは絶対に口止め料だ。この人はこういうところがあるのだ。まぁ大抵はちょっとした手伝いだけで済むので大丈夫なのだが、今回はちょっと何が起こるかわからない。そう緊張しながら返す


「えっと…俺にできるなら何でも」

「じゃあ、お姉ちゃんって呼んで?妹に憧れてたの、良いよね?」

「うぅ…はい。じゃぁ、お…お姉ちゃん?これでいいか?」

「うっ、最高。私に対してはこれからもそう呼んで、お姉ちゃんって」

「え…マジですか?」

「うん、お願い」

「は、はい、分かりました」

「後、敬語も禁止」

「え、あ、はい」

「うわぁ…俺の姉がこんなことさせる奴だったとは思わなかった…」

「じゃあ、葵ちゃんのご両親には連絡する?女の子になったことを。お姉ちゃんとしては、した方がいいと思うけど」

「この姉、もう俺の友達のお姉ちゃん気取りだよ。自分で言ってて意味が分からん…」


確かにそうだ。両親には言わないと、どうせいつかバレるし言おう


「う、うーん…分かった。連絡する」


俺のお母さんは年齢と見た目が釣り合っていない、北欧系の血が混じっている美人さんだ。すると、少し時間がたってから反応があり、大丈夫かな、と思いつつ手に取った


「お、お母さん?聞こえてる?」

「えーっと、誰?間違ってるわよ?」

「お母さん、葵だよ、葵。何故か女の子になっちゃったんだよ」

「え…え!?え…まさか、こんなことになるなんて…さすがに予想してなかったわ」

「お母さん?予想って何?もしかして、なんかした!?」

「い、いや…そうじゃなくて、そうね…お母さんの秘密について話すときかしら。お母さんね、吸血鬼なの。まぁ、吸血鬼と言っても、血でしか生きられないなんてことはないけど」

「吸血鬼!?お母さんが!?」

「ほ、ほら!ちょっと最近血に抵抗感とか無くなってなかった?」

「あ、うん。それがなんかちょっと気になっていたんだけど」

「それよそれ。好物が吸血鬼になるとともに血に変化していってるのよ」

「え、でも、なんで今、俺は吸血鬼になったの?」

「いや、吸血鬼って死者が蘇った存在ってされてるでしょ?あれって虫とかと同じようにある程度期間がたったら体が変化するのよ。それで人間の男を食い殺しちゃって町から逃げ出した吸血鬼がいて生きてたのがバレちゃって偶々そういう伝承になっちゃったのよ。まぁ、そんなことは滅多に起きないけど。私たちって人間社会を宿主として生きてるからね」

「え、じゃあ俺の食事事情はどうなるの?」

「いや、そこはあまり問題ないわね。野菜が嫌いになるぐらいで」

「そうか…そうか…あ、でも、何で俺って女になったの?さっきの説明だと俺が女になる様子はなかったけど」

「それが謎なのよね。多分葵が人間であるお父さんと私の子だからちょっと変わったのかもしれない。もしくは性別が正しい方向に治ったのかも、友達の吸血鬼の子もうちの子が女の子から男の子になったって言ったこともあったからね。」

「へぇ…でも、そんなことがあったら吸血鬼の存在がバレちゃうんじゃないの?」

「いや、吸血鬼は基本的に吸血鬼と結婚して子供を作るからバレることはないわ」

「で、正直気になることがあるんだけどさ、吸血鬼って魔法、使えるの?」

「使えるわよ、人間でも魔導書を読んで理解するか、私が教えるかすればね。でも、人間には危険だから情報統制して、色々と隠してるけどね。」

「えっほんと!?ちょっとお母さん群馬からきて!場所はメッセージで送るから!」

「うん。そのつもり。吸血鬼にどれぐらいなり始めているかの検診もかねてね」

「ありがとう!早く来てね!」

「えぇ、分かったわ」


お母さんと話し終わって裕介たちを振り返ると、優理がキラキラした顔をしてこっちを向いた


「葵ちゃん!吸血鬼って何!?お姉ちゃんの血でも飲む!?」

「俺の友達が吸血鬼で男から女になって俺の姉ちゃんが溺愛してて、魔術が存在した件について」


なんか変な声が裕介から聞こえて反論しようと思ったけどやめた。顔が死んでる。今聞いたらあいつが本当に死ぬ


「なんか、吸血鬼だったみたい?でも、さっき話した通り血を飲まないと生きていけないなんてことは無いから安心して」

「それより魔術って!?使えるの!?」

「お母さんから教えてもらったら使えるっぽい」

「私にも使えるかな?」

「さぁ?分かんないけどお母さんなら出来るかも?」

「じゃあ、お姉ちゃんにも使えるかな?危険らしいけど、気になるよね、あ、ご両親にあいさつしないと」

「あいさつはやめて?お願いだから、お、お姉ちゃん?」

「わ、分かったわ、うん」

「はぁぁ、もう頭が痛い。おい姉ちゃん、用はもう済んだから帰るぞ。葵、邪魔して悪かった」

「いや、いいよ、こっちも助かったし」

「そういってもらえるとありがたいよ、はぁ…俺の姉ちゃんは何故こうなった?」

「ちょっと、私のどこがおかしいのよ」

「はぁぁぁ」

「何よそのため息は」

「また会いたくなったら向こうで会おうか、ボイスチャットも出来るし」

「そうだね、また会おっか」

次回は別視点です。この世界は魔法でファンタジーな世界だった。でも特にこのファンタジー要素は出しません。TSと吸血鬼を選んだ理由にそれらしい理由が付けたくて仕方なかったからです。本当はもうちょい後にしようと思ってたけど、なんかごちゃごちゃしすぎて管理できなさそうと思い出しました。血だけで生けていけるようにしたかったけど生きていけるわけないと思ったし、そしてその栄養分の塊である肉を食わないわけがないと思ったので大丈夫な設定にしました。結構悩んだ。ちなみに優理は172cm。

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