開戦
軍事面含め間違いが多いと思います。これから全力で勉強していきますのでご容赦ください。
2014年12月24日。その聖なる日に、歴史は変わった。
その日、歴史の分岐点となったのは、日本海に面す街、秋田市だった。
あの日の秋田は、雪模様だった。
2014/12/24 14:24:13(JST) 日本・秋田県秋田市中通2丁目
いつも通りの冬の昼下がりだった。雪は降っていたが、この地域ではさして珍しいことではない。
明日はクリスマスである。どこか浮かれた空気のある街並みを眺めながら歩く。
その時だった。突然、不協和音が響いた。
道往く人々が立ち止まる。携帯を見ると、『全国瞬時警報システム(Jアラート)・ミサイル発射情報』
鳴り響くサイレン。そして、逃げ惑う人々。その後、
まばゆい光と熱とともに、30万都市・秋田は消え去った。
その一報が東京に届いたのは、ミサイル着弾から2分後のことだった。
2014/12/24 14:30:27(JST) 日本・東京都千代田区永田町2丁目 首相官邸
総理執務室の戸が叩かれる。
「入れ。」
「失礼しますっ!総理!」
入れ。などと偉ぶってはいるが、いつも通りのやりとりである。
「総理!お話が!」
官房長官・戸倉修司。
首相就任から私の右腕として働いてくれている。歳は離れているが、大学の先輩後輩ということもあり、
私が全幅の信頼を置く男の一人である。日頃冷静な彼が相当急いでここに来た様子だ。
なにかあったのだろうか。
「どうかされましたか?戸倉官房長官。」
「先ほどの!『全国瞬時警報システム』__いや、Jアラートの件なのですが。」
落ち着きを取り戻したようだが、まだ焦りが見える。
「...! なにかあったのですか?」
「_____秋田市に、反応兵器が着弾しました。犠牲者は、少なくとも10万人を超えるかと...。」
意識が遠のくような感覚がした。
「それで、発射元は、、いや、北朝鮮ですか?」
「その通りです。今から臨時で閣議を開き、その後記者会見を予定しています。」
「わかりました。」
「各大臣は既にいらしています。お急ぎください。」
「ああ。わかった。」
冷汗が背中を伝う。
閣議室。各国務大臣が顔をそろえているが、総じて焦りを隠しきれていない。
「総理!」「総理!」
こちらに気づくと、一斉に声を上げる。
この直径5.2mの机で、これからの国の運命が決まるやもしれない。
焦りと現実味の無さから、皆一様に呆然とした顔をしている。
私が席に着くと、初めに口を開いたのは防衛大臣だった。
「総理!今後の対応はいかがいたしましょう!?」
「何しろ69年ぶりの事態、というより事実上初の体験です。まずは半減期を待つことを考えています。」
「しかし、それでは二次被害の可能性もあるのでは?」
口を開いたのは厚労大臣だった。
「しかし、中央特殊武器防護隊は大宮、現場は秋田です。やはり半減期を待ってから青森から化学防護隊を送ったほうがいいのでは?」
「とりあえず暫定的に日本海東北道、秋田道を通行止め、JTRに田沢湖線・奥羽線・羽越線・秋田新幹線の運休を要請、秋田空港は自衛隊の使用も考え封鎖しておきます。連絡を頼む。」
国交大臣が秘書に言う。
「ありがとうございます。官房長官、在日米軍と自衛隊に連絡を。」
「わかりました。」
「それと、アメリカ大使館経由で大統領に連絡を。」
「了解しました。」
ようやく簡素ではあるが対応が固まった。北朝鮮はいったい何故こんな暴挙に出たのだろうか。
「総理!北朝鮮が今回のことについて臨時放送を行うようです!」
「!? モニターに映像を!」
真っ黒な液晶画面に、映像が映し出される。
いつも通りの朝鮮中央放送のキャスターが、いつもとは違い笑顔で文章を読み上げる。
「先程、偉大なる我らが指導者が、日本に反応兵器攻撃を行い、成功しました!これより、同胞とともに声明を発表します!」
数刻の暗転ののち、画面が切り替わる。
そこには、3人の男と、護衛らしき大勢の軍人が映っていた。
1人は朝鮮民主主義人民共和国の最高指導者である、趙雪海である。
あと2人は、、
「!?」
ただでさえ張り詰めた空気がさらに緊迫感を帯びる。
中華人民共和国国家総書記・勇兆曹と、ロシア連邦大統領・アバカロフ=コーフであった。
真ん中に立つ趙雪海が口を開く。
「我々は今日より、新たなる秩序を持ち、社会主義に則った新世界を築く!日本への攻撃はその第一陣である!今後、すぐにでも第二次攻撃を開始する!まずは憎き日本、韓国、そしてアメリカだ!!人民よ蜂起せよ!これは聖戦である!!」
「念を押して言っておく!これは、 宣戦布告 である!!」
第1話でした。ありがとうございました。