こんな仕打ちってありかよ!?
「じゃぁ一つだけ教えてあげますねー、貴方に付与する能力の一つは・・・」
「貴方の能力の名は『ラプラスの悪魔』、指定区域内のすべての物質の情報を瞬時に把握し、その後の未来が見える能力です。あと2つ能力付けときますけどここでは説明しません。多分向こうに行ったらわかると思うのでその時に知ってください。サプライズみたいな・・・ね?」
「ラプラスの悪魔・・・能力内容だけ聞いたらクソ強そうだけど欠点もありそうだな・・・っていうか他の能力の説明無いの!?そんな状態で向こう行って瞬殺とかされたらヤダよ!?」
シリスの適当な説明に好奇心とかよりも恐怖が圧倒的に買ってしまっている俺がいたが、シリスはそんな俺に目もくれず転移魔法の準備を終えていた。
「異世界での姿どうします?そのままの姿で送ることもできますけどどうせなら体も変えちゃいます?」
「見た目変えられんの!?俺てっきりこのまま飛ばされるもんだと思ってたけど」
だって大体の転生モノって見た目そのまんま送られてるし・・・でも変えられるなら変えてみるのもありか・・・?
「もちろん変えられますよ~、ただあんまり変えすぎるとバグりますけど」
「バグるの!?」
「バグります。頭が馬鹿になっちゃったり目が三つになっちゃったり・・・運が悪いとスライムみたいになります」
リスクデカすぎだろそれ・・・
「・・・このまま送ってください・・・」
「ビビりですねぇ~そんなんじゃ魔王倒せませんよ?」
「あんたがビビらせたんだろって!!」
多分こいつ女神じゃない。性格が腐ってやがる。
「まぁ姿変えるのめんどくさいんで助かりました~それじゃ送りますね~良い異世界ライフを~貴方が魔王を倒すことに期待して待ってます。倒した暁にはご褒美をあげるので楽しみにしててくださいね」
「めんどくさいなら聞くなって・・・ってかご褒美あんの!?なんかめっちゃやる気出てきた」
そんなこと言ってる間に俺の体は光に包まれていく・・・
「はい行きますよ~さーん、にーい、いーち・・・」
シリスが三つ数えると俺は・・・
真っ逆さまに落ちていた
「はあああああああああああああ!!!!????」
明らかに人間が落ちて耐えられない高度から俺は自由落下していた。
「あのクソ女神!!なんちゅう所に出してんだよ!!!」
最初は遠かったはずの地面が見る見るうちに近づいていく中、空中から周りを見るとそこは草原、川、街と平和そのものだった。
「魔王云々の気配まったくしねぇけど、俺は何を救えばいいんだ?」
「ってか地面近い近い!!死ぬって!!」
地面まであと数キロといった所、本気で死を覚悟した俺は数秒もたたないうちに地面に激突していた。
ドゴーンという爆音を轟かせて俺は地面に大穴を開けて不時着していた。
「いっっってぇえええ!!!全身がめちゃめちゃ痛い!」
あの高度から落ちて全身に激痛が走るだけで済んでいることに驚いたほうがいいのだろうが、そんなこと考えられないくらい痛い。
「クソっ・・・これがシリスの言ってた能力のうちの一つか?死ななかったのはうれしいけど、このためだけに落としたんなら許さねぇぞほんと・・・」