この女神適当過ぎない!?
「貴方に世界を救ってもらいたいのです。」
「へ?」
「えーっと、世界を救ってほしい?何言ってんの?」
シリスの口から放たれた、想像の斜め上を行く発言に俺はオウム返ししていた。
「そうです、あなたには世界を救ってもらいたいのです。貴方の大好きな異世界を」
シリスはさっきと同じことをまた言う。
そもそも俺なんかに救える世界があるのだろうか?自分で言うのもなんだが俺はラノベの知識と友達の少なさだけが取り柄みたいなただの一般的な高校生だ。そんな俺に救える世界なんて誰にでも救えると思うんだが・・・
「・・・まぁ世界を救う云々はいいとして、俺なんかに救える世界なんてあるのか?俺が救える世界なんて誰に頼んでもできそうだけど」
「えぇ、これは別に誰に頼んでもよかった案件です。ただ面白そうだから私が貴方を選んだだけです」
???????
今この女神面白そうだから選んだとか言ったか?????
「おい、今面白そうだからとか言ったか?俺がここに呼ばれた理由ってそれだけ?!」
「はい、それだけです。私が上からチョロそうな人いないかな~と覗いてたら、貴方が異世界モノの本を読みながら寝てたのでここに召喚しました」
なんだこの自分勝手な女神・・・ほんとに女神か・・・?
「そんなんで俺ここに呼ばれちまったのかよ・・・」
「ご不満でしたら帰してあげることも可能ですよ?どうします?まぁ元の体には帰れませんが」
「うぇ?」
シリスの言った衝撃的なことに腑抜けた声を出してしまった。
「戻れるわけないじゃないですか、ここに持ってきた肉体は粉々にして処理して意識はすべて消してどこかの赤ちゃんにでも送りますよ。こんなの常識ですからね?」
「そんな天界の常識持ってこないでくれよ・・・ってかそれって俺に選択肢無くない?異世界行くしかないじゃん」
存在抹消か異世界かとかいう究極にもなっていない選択、後者選ぶしかないだろ。さてはこの女神、かなーり性格腐ってるな?
「わかった、異世界行って救ってくるよ。で、俺は向こうで何をすればいいんだ?」
「了承してくれてありがとうございます~」
シリスは神々しさまである笑顔を浮かべて答える
「それでは具体的な貴方の仕事ですが、よくある感じの魔王討伐です」
「大まかすぎない????」
よくあるって普通無いし基準やっぱりずれてるよな、俺とシリスの間にデカすぎる壁があるような・・・女神と人間だからそんなもんか?
「ok魔王討伐か、まぁラノベとかでも王道中の王道だよな。うん。で、俺このまま送られても何もできないけど、流石にこのまま送って見殺しとか無いよね?」
「さすがにそんなことしませんよ、面白くない。送る過程で適当に能力付与しとくので、その辺りは心配しなくて大丈夫ですよ」
「今面白くないとか言った!?俺を何だと思ってんだよ!」
シリスって見た目キリッとしてるけど、もしかして中身は結構やんちゃだったりする?それとも俺の経験不足かな・・・友達いないからわからん・・・
「まぁここで長話してても世界は救えないので、早く行っちゃいましょーねー」
「適当すぎだって!能力の説明とかしてよ!」
「じゃぁ一つだけ教えてあげますねー、貴方に付与する能力の一つは・・・」