2.初仕事
今日から町での生活が始まる。どんな生活が始まるかわくわくしていた。目覚めは悪かったが。
昨日教えてもらった飯屋はよかった。スープに塩だけでも肉だけでもない味がついていた。後で女将に聞いたら骨を一緒に煮込むらしい。今度試してみよう。パンは、期待ほど大したものでもなかったが期待しすぎた自分が悪い。木の皮のように固いなんてほんとに食べ物か疑ってしまうのも無理はないと思う。ただ噛めば噛むほど甘くなるのが面白かったな。森では秋にとれる蒸した木の実の味に近いか。ただあれより癖がないし甘すぎないから常食にはパンのほうがよさそうだ。それに木の実は当たりはずれがひどい。いくら噛んでも甘くならないのも多いし甘いと思ったら苦い虫が入っていた時は大変だった。2日は口が地獄だった。
飯屋はよかったが問題は宿だ。ベットは小さいわ隣の客のベットとは近いわ。汗臭いうえ虫も湧いている。森のほうがよっぽどだ。クソは文化が、技術が、とかなんとか言っていたがこんなクソみたいな寝床よりは森のほうが寝やすい。まあ隣の客は絡まれたから怒鳴ったらどっかに行ってくれたのはよかったが。
今度は町の中で眠れそうなところを探すか近くの森で寝ることも考えたほうが良いかもしれない。
飯屋で飯を食って冒険者ギルドに向かう。ギルドの人からは荷物持ちの仕事を貰った。なんでも戦争してるところに届ければいいとか。人手がないから困っているとぼやいてた。赤い旗のあるところに行けばいいらしい。結構な量の箱を運ぶように言われたが荷車なるものを貸してもらった。草の生えたり凹凸の多かったりする道には向かないがこれを使うと一度にたくさんのものを運べる。宿はよくないが物は森よりずいぶんいい。不思議なものだ。がい
赤い旗のあるところ(陣地とよぶらしい)に荷物を届けると金属の板を貰った。これをギルドの人に渡せばいいらしい。そしてギルドに戻り板を渡すと思ったより早く終わったらしく驚かれたが問題なくカネがもらえた。カネは種類があるらしく普通は銀貨、高い買い物は金貨を使うらしい。金貨は銀貨100枚分らしい。もらえたのは銀の硬貨5枚で宿屋に2枚、飯に2枚とすると1枚ためることができる。戦争してる人が使っている剣はカッコいいからほしいがあれは金貨1枚もするらしい。俺の背丈に合わせればもっとするとも。やっぱ宿はやめるか。その辺に寝ていいかギルドの人に聞くとスラム街に行くといいと言われた。ただスラム街は臭いらしい。それなら宿屋とおんなじだ。俺は町で寝ることを諦めた。