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忘却の彼方への旅  作者: JunJohnjean
第13章 帰国
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路面電車 ー リスボン



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 信太は友達になったロバートという名前のイギリス人とリスボン市内を散策したが、そんなに大きくない街なので二、三日あれば充分見て回れる。時間もあることから映画を見に行こうということになった。宿泊のホテル近くに映画館があり、宣伝用ポスターを見るとSF映画と直ぐに分かる。タイトル名は「2143年」となっていた。


 アメリカ映画のようだが、これなら信太にはさほどの英語力がなくても、映像であらすじはだいたい分かりそうだ。母国語を英語とするロバートにとっては楽勝に違いない。上映の時間がもう直ぐなので入場券を買って指定の館内に入るとまだ明るく、見渡すと中央の座席辺りはほぼ人で埋まっている。前席は画面が大き過ぎて見るに堪えないので仕方なく後部に二人は並んで席を占める。

「ロバート、人が多いね。若い人が殆どだ。」と信太。

「そうだね。二十代から三十代の人が多いみたいだね。」とロバートは年配の人が少ないのに気付く。

『若者に人気のある映画なんだ』と信太はひとり思う。


 暫くして、館内が徐々に暗くなり、日本と同じようにコマーシャルや公開予定の映画が紹介される。その後、館内は再び明るくなり新たな入場者が空いている席を求めて座って行く。ポルトガル人は時間を持て余しているのか、あるいは、娯楽は映画が定番なのか、とにかく平日でそれも昼下がりなのに余りの人の多さに信太は驚いてしまう。


 照明が落ちると映画のタイトルの文字がスクリーンに鮮やかに映し出される。西暦を示す「2143」である。次に物語りの前置きであろうか、英語で長文の字幕が出始める。


 信太の英語の科学的知識では心もとないので著者が信太の理解を補うとしよう。


『今や人類が開発した宇宙船は光に近い速度で宇宙を航行する。大熊座にあるラランド21185は地球から八光年と少しの距離にある恒星である。この恒星の周りには幾つかの惑星が存在するが、その一つ、マクランと称する地球の1.7倍ぐらいの大きさの惑星に27年前、無人探査機が送られた。この探査機は9年後、マクラン星の周回軌道に乗り、この惑星を高解像度カメラで撮影した。その後、地上に降り立つ予定であったが、大気圏突入前に大量の超高エネルギー宇宙線を浴びて瞬時に探査機は破壊された。しかし、周回軌道中及び、大気圏突入前の映像は無事地球に電送された。この惑星は薄い雲の層に覆われ地表の半分は岩石、その又半分は液体と判明した。その中で陸地に自然とも人工とも判別し難い建造物が発見された。その後、調査のため有人宇宙船「フライングバード」がマクラン星に送られた。この宇宙船がマクラン星に接近し周回軌道に入ったのは、西暦2143年であった。』


挿絵(By みてみん)

リスボン市内の路面電車


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