表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
忘却の彼方への旅  作者: JunJohnjean
第12章 大海原
63/75

リスボン ー ポルトガル




 ヨーロッパ大陸から船でアフリカ大陸へ足を伸ばしたように今度は、アフリカ大陸西岸沖のカナリア諸島から、ヨーロッパ大陸西端のリスボンへと向かう。


 ラスパルマスから大西洋を一路北上。カナリア諸島を後にすると右手にアフリカ大陸が横たわり、左手にはポルトガル領のマデイラ諸島であろうか、島影が見える。この日は風が強く吹いているでもなく空は澄み切っており穏やかな大海原と言えよう。この海域は十五世紀から十六世紀にかけて世界史に登場するインド航路を開拓したバスコ・ダ・ガマや世界一周を成し遂げたマゼランが行き来したところで、信太も同じところを航海しているのだと思うと感動を覚えた。


 乗船客用に上甲板が大きく取られているので暖かい日差しを堪能している旅行者がそこここに見られる。その中にカップルがいて、女性がアジア人である。モロッコでもスペイン領サハラでも、ラスパルマスを除いてアジア人を見かけることはなかったが、彼女は中国人ではなく日本人と直感して、お互い顔を見合わせた時に信太は話しかける。

「日本の方ですか?」

「はい、そうです。」

「珍しいですね、こんなところで日本人の旅行者に会うなんて。」


 先方も驚いた様子で話が自然と弾む。この日本女性の恋人か主人か、取り残されたように少し離れたところで二人が話しているのをちらちらと見遣るが、遠慮しているのか、近づこうとしない。

「あちらの方が貴女を待っているようですよ。」と気を利かして一言すると、思い出したように信太に素早く一礼して彼の元に戻って行く。


 暫くして、一人の西欧人が信太に話しかけてきた。会話をしているうちに彼はイギリス人であると分かる。年の頃は信太と十歳以上離れているようで、三十代前半だと思われる。その時代の日本人の感覚からすると彼の歳で一人旅、又、独身であるというのは吃驚だが、接し方に角がないと言うのか、紳士的な物腰なので徐々に打ち解ける。


 イギリス人と言えば、信太はイギリスとその植民地・海外領土などの総称である大英帝国を思い出す。大英帝国と言うと古めかしい呼称だが、イギリス帝国とも呼ばれる。結局、リスボンに着いてその後、このイギリス人と一週間ホテルで宿泊するが、先のドイツ人とモロッコで部屋を分け合ったように一室を二人で借りる。これは双方にとって安上がりなのだ。


挿絵(By みてみん)

リスボンと大西洋を眺望


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ