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占いの結果?

気付くと、元の森にいた。白昼夢でも見た感じだ。しかし、さっきまでの出来事が夢ではない証拠にセットが俺の肩にとまっている。


「契約おめでとうございます。私の占い当たるでしょ?貴方は緑色のナナフシと契約しましたね。ガチャの結果に不満はありませんか?」

 俺を見つけたロッキが話し掛けて来た……あの胡散臭い占いが当たったと言うのか?

 毒蛇なんて当たって欲しくないんだけど。


「不満なんてないですよ。むしろ、感謝してもしきれない位です。」

俺にしてみれば、どれも使い勝手が良いものばかりだ。取得はしたのは良いが、呪文どころか魔力の使い方すら分からないんですが。


「そうですか……今ならまだリセマラが出来ますよ。当座の生活費がないと困りませんか?」

 そういやガチャの中に当座の生活費もあったよな。でも、具体的な金額は書かれていなかった。ゲームみたく少ない可能性もある。


「金はあてがあるので大丈夫ですよ。ところで、生活魔法とミスルトゥ基礎知識は、どうやって使えば良いんですか?」


「スキルアプリを選択して、覚えたいスキルや魔法をタップして下さい。そうしましたら、インストールされますので。分からない事があったら『教えて♪ロッキさん』と言うアプリで検索して下さいね。それとミスルトゥ基礎知識は貴方の鑑定スキルとリンクする様にしておきました。特別サービスですので、感謝してくれても構いませんよ」

 リマセラにガチャ、そしてタップしてインストールってスマホゲームかよ。


「それじゃ早速使わせてもらいますね」

 言われたまま、ミスルトゥ基礎知識と生活魔法をインストールしていく。しかし次の瞬間、とてつもない頭痛が襲ってきた。なんとか、セットを肩から降ろす。

 あまりの痛みに地面を転がり回っていると、ロッキが近付いてきた。


「あっ、言い忘れていましたが、膨大な情報が一気に脳へ流れ込みますので、頭痛がしますよ……ちょっと、遅かったみたいですね」

 言うのが遅いっての……今襲われたら、ひとたまりもないぞ。


「ジン様、大丈夫ですか?」

 のたうち回る俺を心配して、セットが近付いてきた。それを見てニヤリと笑うロッキ。短い付き合いだけど分かる。あの笑顔は、やばい。


「ドラゴンの血を引くナナフシの精霊ですか……これは面白い。特別サービスで眠っている可能性を引きずり出してあげますよ。全身痛みますが、それ分の効果は……経験を積めば多分出る筈です」

 物凄く期待値が低い感じに聞こえるんですが……ロッキはそう言うと、セットに向かって手をかざした。


「ひぎゃーっ!身体が折れる―」

 そして地面を転がり回るセット。二人して地面を転げ回る契約者と精霊、かなりシュールな光景だと思う。


「……おっと、誰か来たみたいなので,私はお先にドロンします。それとアフターサービスで、証拠は消しておきましたので」

ロッキは苦悶の表情を浮かべる俺達の前で、手を組みながら人差し指を立てて見せる。本物の忍者の前で、忍者ポーズですか。

(消えた?本物の忍者でも、あんな技使えねえぞ。くっ、とりあえず、隠れるか)

 痛む頭を抑えながらセットを拾い上げる。俺はそのまま、木の陰に身を潜めた。


「ガビア様、生存者はゼロです……それと、オーガが一体倒されていました」

 やって来たのはガビアと、その配下だった。若い兵士がガビアに調査結果を報告する。

若い兵士はオーガの死体が一つあったと言った。多分、魔石の数を合わせる為、ロッキが消したんだと思う……改めて逆らってはいけないと胸に刻み込む。


「分かった。俺は報告に戻る。お前等は、ここを見張っておけ」

ガビアは馬にまたがると、どこかに向かって行く。


「主、あいつがガビアですか。騎士なのに、子供達を囮にしたんですよね……」

 平和なスピリートで育ったセットにとって、騎士が清く正しい存在なんだと思う。

騎士の正義なんて自己都合で変わる物だ。あいつ等に取って一番大切なのは支配体制の維持である。


「ああ、あいつがガビアだ。後を付けるぞ」

今回の件もガビアにとっては、正しい行動になる。もし、ジルトが領主になったら、ガビアは忠義の騎士だと褒め称えられるだろう。

 

ガビアの操る馬が林道を進む。道からすると、行き先は拠点にしていた村だと思う。

 林道の幅が狭い所為か、速度はゆっくりで徒歩でも楽に追跡できている。

 それにしても、ガビアは騎士なのが疑わしい位に隙だらけだ。俺達の追跡に気付く様子すらない。今奇襲をかけたら、確実に殺せると思う。


「ガビアの奴、随分と嬉しそうですね。僕は話を聞いただけで、気が滅入ったのに」

セットの言うり、ガビアのテンションが凄い。喜色満面で馬を操っている。

 


「あいつにしてみりゃ、オーガの死体は棚ぼたもんだからな」

(そういやアコニ家が子爵って事以外なんにも知らないんだよな……検索してみるか)

 教えて♪ロッキさんを起動し、アコニ家と打ち込む……普通、自分をSDキャラにするか?

 画面上に出て来たのはSDキャラ化されたロッキだった。ポイントを貯めると、服や家具を買えるらしい。無駄な所に容量使わなくても。


アコニ家 

アコニ家の家格は子爵ですよ。代々武を重んじる家風です。早い話が、脳筋の戦闘スキル至上主義。その為、高い戦闘スキルを持っている者が重用されています。

ゲームのパーティーで例えるなら、王様・騎士・戦士・武闘家でガンガンいこうぜって感じです。

だから政治は苦手で、政界での地位は低め。さらに欲に溺れない俺格好いいと商人を軽んじた為、領内の経済もあまり発展していないそうですよ。

それと今は跡目争いが激化しています。長男のジルトは紋章ランクこそ高いですが、領主としての資質は皆無。次男を擁する動きがあるそうです。

……どこで、こんな情報を手に入れるんだ?

つまりジルドが活躍して王家に認められれば、現政権に参加出来る可能性が出てくると。

それは同時にガビアの出世も意味している。そりゃ、テンションが上るよな。

 それにしても不思議だ。さっきからガビアを観察しているけど、隙だらけだし、俺の尾行に気付く様子もない。確かガビアはアコニ家有数の強者の筈。

 今までの鑑定能力では、ガビアの名前しか分からなかった。でも、今なら何か分かるかも知れない。


鑑定結果 ガビア

名前:ガビア・グーラ 年齢:二十八 職業:アコニ家騎士 装備:ライトアーマー(鉄) ・ロングソード(鉄)  紋章:ランクC四枚羽根 スキル:剣術騎士級・騎乗初級・威圧  趣味:弱い者いじめ・同僚のミスをちくる事 特徴:小心者で臆病。好みのタイプは、給金に文句を言わない人。同僚と自分を比べない人

 ……もしかして騎馬初級だから、林道を早く走れないんだろうか?


 ガビアは村に着くと顏から笑みを消し、口を真一文字に結んだ。多分、あれがガビアの決め顔だ。

同僚と思われる騎士の問い掛けにも答えず、宿屋に直行。


「セット、これから宿に忍び込む。しばらく、口を閉じておけ。それと擬態を使って俺の服と同化しろ」

 セットの身体が、俺の服と同じ色に変化する。染みやほつれまで再現しており、目を凝らさないと分からないレベルだ。

 宿は騎士が警備していたが、難なく潜入出来た。セキュリティーシステムがないので楽勝である。


「ヤーナイ様はいますか?緊急のご報告があります」

 ガビアは宿屋のドアを開けるなり、大声で叫んだ。宿にはジルトがいるので、ノックしないと無礼になるらしい……騎士道マナー講師がいたら大激怒すると思う。

まあ、それだけガビアは興奮しているんだ。きっと脳内ではガビア立身出世物語が展開されていると思う。


「ガビア、うるさいぞ。ようやく、ジルト様がお休みなれたというに……それで、なにがあったんだ」

 ガビアの叫び声を聞いたヤーナイが、しかめっ面をしながら降りてきた。つうか、ジルト良く寝れたな。囮にされた餓鬼の殆んどが死んだんだぞ。生まれながらの貴族って、庶民と感覚が違うんだろうな。


「も、申し訳ございません……先程、森にいきましたらオーガが倒されているのを、確認しましたので」

 一方のガビアは、ヤーナイのしかめっ面を見て、落ち込んでいた。先程までの笑顔は消え、しょげ返っている。


「それはまことか?今すぐ、魔石を確保して来いっ!」

 ヤーナイの指示を聞いたガビアは、一目散に宿を飛び出していった。馬に飛び乗り、オーガの魔石を確保しに一路森へと向かおうとした。

 しかし、同僚の騎士に囲まれ、質問攻めにあっている……これはチャンスだ。


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