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気になる女子高生

朝のラッシュ時の電車の中。


いつも同じ電車で同じ車両の同じ場所に立っていると、周りもほぼ見知った顔が多くなります。

私は、車内が混み始める駅の前の駅から乗るので、大抵、同じ場所に立っています。

座れることもまれにありますが、大抵は立ったまま。

気が付くといつからか私の左隣には黒縁メガネをかけた長い黒髪の女子高生が立つ様になりました。


最初は全く興味がなかったのですが、毎日会っているうちに少し興味がわいてきました。

大きな鞄に教科書や参考書をたくさん詰めているのでしょうか。

そのかばんを、両脚で挟むようにして電車の床に置きます。

電車を降りる駅は私の方が先。

その女子高生の後ろを通り越し先のドアから駅に降ります。


そんなある日、いつものようにその女子高生後ろを通り越そうとした時、その大きな鞄に(つまづ)いてしまいました。

「あっ、ごめんね」

そう言うと、女子高生は何も答えずにカバンを“もじもじ”と前の方にずらします。

(嫌われたかな…)

しかし、翌朝も、またその翌朝もその女子高生は私の左隣が指定席と言わんばかりに立ち続けます。


車内で押されたり、ぶつかられたり、何かあるとお構いなしに私の方に避難する様に身体を押し付けてきます。

その内、私も私の方に身体を押し付けてくる時は、その女子高生が他の人に変なことをされていないか、保護者みたいに確認するようになります。

「私、守られているみたいで、安心できるんです。」

女子高生の声が聞えた気がします。


ある時、用事でいつも降りる駅から先の駅まで乗ることに。

そしていつも私が降りる駅に着くと、その女子高生も前の席が空き、女子高生はちょこんとその空いた席に腰を下ろします。

何駅か進んで私が降りても、その女子高生は乗り続けます。

そう、いつも私の左前の席が私の降りる駅で空くので、それを知っている女子高生は電車に乗っている時間が長いので、私よりもその座席の方がお目当てでした。


明日も同じ電車に乗ろう。

挿絵(By みてみん)

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