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宴会電車

仕事帰りの電車の中。


珍しく缶チューハイ片手に柿ピーをおつまみに、一人居酒屋をやっている人が乗っています。

柿ピーの匂いが空腹をたまらなく刺激していきます。

あと飲み物も。

私は缶チューハイよりも、やはり発泡酒。

日本酒もいいけど、すぐに眠くなってしまいます。


昔、田舎の知り合いの家に用事があるとかで、夜、父に連れられボックス席が中心の中距離列車に乗りました。

平日の夜だったので、車内は会社帰りのサラリーマンばかり。

始発駅を出る前から、家に帰るまで待ちきれないのか、車内のあちらこちらで缶ビールやカップの日本酒、おつまみの裂きイカ、イカ燻、柿ピーなど様々な匂いが車内を充満します。

また、当時は中距離電車も社内喫煙可だったので、もうもうと煙草の煙が車内かかすませ、まるで走る居酒屋で宴会しているようです。

しかも、冬だったに異様な熱気が。

でも、面白いのは、宴会と言っても大声で話している人はほとんどいません。

殆どの人が黙々とお酒におつまみ、それにタバコでした。

子供心に、こういう電車には乗るまいと思っていたのですが、今は途中まで中距離電車に乗っています。


車内はあの当時と同じようにボックス席がありますが、ボックス席の数が少なり横長の椅子が多くなったのと、車内が完全禁煙になったこと。

それと今の若い人は、お酒よりもゲームのようで、電車の中で缶チューハイや、日本酒を飲むのは中高年の方、特に日本酒は年配の方がほとんどです。

見ているとやはり40歳台前後は、缶ビールか缶チューハイ、それに柿ピーが主です。

それも車内に一人いるかいないかなので、昔のように居酒屋の匂いはしません。

「あなたも、どうですか?

 夜景を見ながら缶チューハイもおつなものですよ。」

と誘われたような。

「大丈夫、家でゆっくり発泡酒を飲みますから。」

(寝落ちして気が付いたら”そこは雪国だった”というのは避けたいので)


今日はおつまみ何にしよう。

挿絵(By みてみん)

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