揺れる男
朝のラッシュ時の電車の中。
プロレスラー並みに180cmを超えている体のがっちりした男性が乗っています。
乗換駅からたまに乗って来て、よく私の前に立ち、ドア付近の高い位置にある吊り革に摑まります。
身体の大きさに圧迫感を覚えるのですが、それ以上にスマフォを見ながら周りの人にぶつかります。
まあ、ぶつかると言っても「ラリアット!!」なんて激しいのもではなく、スマートフォンを見ながら、なにかもじもじするような揺れ方なのですが、身体が大きい分、周りに対する破壊力は結構あります。
今日も、私の横でもじもじ、もじもじ…。
なんでいつも“もじもじ”するのだろうとその男の人を見ていると、その男の人のスマートフォンの画像が目に飛び込んできました。
それは…。
私はあまりそっちの方は明るくないのですが、少女アニメ、そう、プリキュアみたいな可愛らしい女の子が出てくるアニメをスマートフォンで見ながら、“もじもじ”していたようでした。
考えてみたら、子供の時も、今も、照れ臭いやら、恥ずかしい場面が出て来るマンガをテレビで見ている時は、落ち着かず、身体を揺らしたり、俯いたり、そっぽを向いたり。
でも、目線はテレビに向いていたりします。
今は、気恥ずかしかったりするとその場面は見ないで、でも、後でこっそりインターネットでそのアニメを探して見たりできますよね。
大抵は、お友達に誤解され泣く場面や、好きな男の子に急接近する場面など、少女アニメは結構多感な描写が多い気がします。
さて、プロレスラー君(勝手にプロレスラーにしていますが)、顔を見ると、ニヤニヤ。
そして、恥ずかしそうな場面?になると、もっとニヤニヤして、身体をもじもじ。
酷い時は、吊り革に摑まっている片手で身体をぶらぶら。
「ねえ、身体が大きいんだから、ぶつかると痛いって。」
言ってみたくなります。
「手熊熊谷崑…、小さくなあれ!」
プロレスラー君、自分に言って見てたりして。
明日も同じ電車に乗ろう




