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ホールドアップ

朝のラッシュ時の電車の中。


今日も乗換駅で電車を乗り継ぎます。

電車を待つ列の後ろの方だったので、電車に背中から乗り込みます。

すると背中に固い感触が。

ピストルを突き付けられるってこういう感じでしょうか?

なにか冷たく、冷酷な輝きをしたピストルを背中に突き付けられ、『ホールドアップ』って。

なぜか昔、海外に旅行した時にホテルの窓ガラスに弾痕が残っていてびっくりしたことを思い出します。


で、今の状況は?

後ろをチラ見すると、女性が険しい顔で私を睨みつけ、スマートフォンを横にし、上部を私の背中に90度の角度で当てています。

それだと、背中に当たり私は痛い思いをします。

またそういう時に限って、後から人が乗って来て私を押します。

当然、押されると背中に刺さっている女性のスマートフォンが痛い。


最近、スマートフォンを見ながら歩いて人にぶつかり、わざと大げさに落として壊れたから弁償しろと言う詐欺の話を聞きます。

もしかして、満員電車で押されてスマートフォンが壊れたので弁償しろという、新手の詐欺では?

そして前から乗り込んで来て異様に押してくる男もグルなのではないか。

余裕のない状況なのに、私の頭の中はそんな想像広がります。

電車が動き出し、しばらくすると、背中の痛みがなくなりました。

見ると、女性は楽しそうにスマートフォンで何かを見ています。

そう、スマートフォンを見ることが出来る空間を開けるため、わざと真横に持って、迫ってくる私の背中につっかえ棒をしていたのです。


「朝は助け合って一人でも多くの人が乗れるように詰めるのがエチケットというものですよ。」

と言ってみたくなる気持ちをじっと押さえます。

すると、「もっとひどい人、たくさんいるわよ」と言い返されたような。

人は人、己は己ですよ。


明日も同じ電車に乗ろう。

挿絵(By みてみん)

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