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コーヒー

朝のラッシュ時の電車の中


何を勘違いしたのか、はたまたドラマで見て憧れたのか、コーヒー店で買ったのかプラスチック容器にプラスチックのストローを差したコーヒーを片手に持った女性が颯爽と電車に乗り込んできました。

その女性、つり革の下に立ち、優雅にストローからコーヒーを飲みます。

次の駅で、大勢人が乗って来て混雑するのを知らないようです。

ぶつかってこぼしたらどうするのでしょうか。

混んでいる中で、コーヒーが気管に入りむせたらどうするのでしょうか。


昔、学校給食で牛乳を飲んでいる時、必ず笑かしてくる悪童は、どこの教室でも一人二人いたと思います。

牛乳を呑んでいる子の前に行って、「お尻ぺんぺん、アッカンベー」と言ってお尻を叩いて見せたり、変顔して見せたりして笑わせます。

思わず吹き出し、鼻から牛乳を出そうものなら、大喜び。

今思うと、何であんなのに笑ったんだろう不思議になります。

人間、やってはいけない状態に追い込まれると、逆にちょっとしたことでも我慢できなくらるのでしょう。

但し、逆襲で、その悪童たちに向かって口に含んだ牛乳を吹きかけるなんて強者もいました。

まあ、最期は先生に怒られて、掃除をさせられる羽目に落ちますが。


その女性も、何か思い出し可笑しくなって吹き出しそうになり、鼻からコーヒーを出したらどうするのでしょうか。

周りの人たちは、それを想像してか、心なしその珈琲カップを持っている女性から離れようとしているみたいです。

私も、朝からコーヒーまみれになりたくないので、こちらに来ないでと必死に祈ります。

「何よ。

 混んできたら急いで飲み干しちゃえばいいのよ。」

と聞こえた気がします。

「それが危ないんだって。」

私が心の中で答えると、すぐに隣の駅につき、その女性は、車内の人ごみに消えていきます。

それから、私が降りるまで、悲鳴や怒号、笑い声が聞えなかったので、大丈夫だったのでしょう。


明日も同じ電車に乗ろう。

挿絵(By みてみん)

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