表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
22/59

コガネムシ

今日も帰りの電車の中。


季節は夏。

飲み会の第一陣が帰宅し、第二陣が隆盛の時間、電車の中は、周りの人とぶつかることもなく、かなりの空間がある、まあまあの混み方です。

ドア近くに立っていると、前にワイシャツ姿で、少しほろ酔い加減なのでしょうか、機嫌のよさそうな会社員風の男性が私の目前に背中を向けて立っています。

私は、ドアの上のテレビを見ていると、その男性の肩に何かが這い上がって来ます。

よく見ると、その虫はきれいなメタルグリーンのコガネムシでした。

コガネムシを肩に乗せている人は、全く気が付いていないよう。

私は、コガネムシを避けてその人の肩をトントンと叩いて教えようとします。

肩を叩かれた人は、余程機嫌が良かったのか、フレンドリーな笑顔で振り向きます。

その瞬間、肩に乗っているコガネムシに気が付き、見る見るうちにフレンドリーな笑顔が消え失せ、恐怖で引きつった顔になります。


確かに、よく車内で見かけるカトンボやガ、ハエはみんな嫌な顔をしますが、手で払ったりするくらいです(まあ、蜂は除きますが)。

それが綺麗なメタルグリーンとはいえ、5cm(少しオーバーですね。3,4cm位でしょうか)の塊が動いているのですから、恐怖にかられます。

その男性は、開いている手でコガネムシをはたき落とし、車内の中の方に移動していきました。


コガネムシと似ているカナブンの違いですが、パッと見た目は良く判りませんね。

色はコガネムシよりもカナブンの方が黄金色だそうです。

コガネムシは身体が丸まっこく、頭も丸い、カナブンは平べったく頭は四角ぽい。

大きな違いは、コガネムシは害虫でカナブンは益虫だそうです。


さて、はたき落とされたコガネムシは丈夫で動き始めます。

そこに、若い会社員風の男性がヒョイとコガネムシを掴むと、何かを入れていたビニール袋にポイっと入れて次の駅で降りて行きます。

「それ、コガネムシ。」

「わかっているよ。大丈夫、子供にあげるから。」

と男性は言ったような言わなかったような。


帰ったら昆虫図鑑を読み返してみよう。

挿絵(By みてみん)


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ