立ち寝姫
朝のラッシュ時の満員電車。
何とか乗り込むことが出来た私の後ろでもう一人、小柄な女性が乗り込もうとしています。
(わっ、たいへん。)
そう思い、内側に自分の身体をさらに押し込んでその女性が乗り込むスペースを空けると、その隙間に女性はちょこんと乗り込み、ドアが閉まって電車は動き始めます。
女性の身長は140cm位でしょうか。
小柄な女性は、いつも同じ車両だけど、乗るドアを変えていたっけ。
可愛らしい顔をしているので、つい覚えていました。
そうそう、暑い日は違うドアで、今日みたいに涼しい日は同じドアに乗り込んでくる気がします。
もしかして、私が気になって、汗ばむ時は避けて違うドアに乗るのだろうか。
だとしたら、もしかして…。
なんて、勝手な物語を考えたりして。
そう言えば昔、同じくらいの身長の女性が満員電車は周りの人が壁のようで、窒息するような気分になると言っていたのを思い出します。
確かに、170cm以上の身長の男性に囲まれると自分より30cmも高い壁に囲まれ息苦しくもなるだろうと思います。
そう言う私も身長は170cmあるかないか。
私も自分より身長の高い男性に囲まれた時、息苦しく感じたな。
何て思いながら、周りの人に悪いなと思いながらもう少し内側に身体を押して、小柄な女性のために空間を作ります。
電車が駅を出て、しばらくすると、その小柄の女性がコツンと身体を自分にぶつけてきます。
(わわ♪)
と思わずトキメキながら女性を良く見ると、なんと、立ったまま居眠りを。
(昨晩は、暑くて寝苦しかったのかな?
寝不足かな?
可哀想に。)
なんて、勝手に思ったりして。
明日も同じ電車に乗ろう。