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人形

作者: 暗闇






















物心ついた時から母親は居なかった






僕は寂しかったのかもしれない







父は海外を飛び回る、忙しい毎日を送っていて








いつ帰ってくるかも解らなかった








それでも、確かに一緒に居てくれた










現実の思い出は、殆どが数分の思い出だったけど








僕に親と言う者の愛情を感じていた時間をくれた人は二人居た











父さんと、先生





お父さんは僕に先生をつけてくれた














その人が言うには、僕のお父さんが先生の先生らしい











先生は一緒に居てくれた











長い時間、ずっと一緒に












僕はお父さんと先生が大好きだった













六月の大雨の日













僕のお父さんは



















死んだ












































先生が死んだ














正しくは殺されのだが













親として、あの子に何もしてあげかった先生













先生














どうしてですか?


















どうして無理してでもあの子と一緒に居てあげなかったんですか?












あの子は愛情を欲していた、親の愛情を








あの人がこの世に残した物は












一つの大きな家と








何軒もの会社と










莫大な金と









一人の幼い天才













大きな家は、あの子がいらないと言ったので売った











何軒もの会社は、あの子が上に立ち指示している事で何とか存在している









莫大な金は、金庫の中で眠っている










そしてあの子、小さな天才は












人形の様になってしまった












どんな悲しいことがあっても泣くことは無く










どんな楽しい劇を見ても眉一つ動かさず











ただ、指示を下すだけの人形になってしまった















それは













貴方のせいですか?











先生












それは











私のせいですか?





















あの子が壊れてしまったのは















私達大人のせいですか?




















教えて下さい


















私には
















怖くて














怖くて

























答えを探すことが出来ません






















すみません


















先生
















私はあの子が一番助けて欲しかった時に


























助ける事を拒んでしまった








此処まで読んで下さった方に、お礼を申し上げます

まぁ俺がグチグチ語っても面白くも何ともないので物語りの付け足しの様な物を

まず、子供と父親は確かに親子でした

父から愛情を貰い、未来を助けることを誓う子供

子供に愛情を注ぎ、最後の義務を果たす父

実際に会って触れあっていた時間は少なくとも、二人は確かに親子でした

ところで先生、先生は子供とはほぼ関係の無い人物でした

それでも、子供を愛し育てました

彼は子供と父の間に愛情が無いと勘違いしていました

けど、実際はあった

子供が人形になったのは、悲しみに耐えられなかったから

先生は確かに自分に愛情を注いでくれた

それは、父の存在していた時間の間だけだったのか

父の死と、先生が消えた絶望

それが子供を人形にしてしまったんです

彼が、勇気を振り絞り、また子供に愛情を注げば

きっとすぐに子供は人間に戻るでしょう

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