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85.隣人

モジモジしていたセピラムさんと

話を戻すことにしてもらうと、

どうやらオーク達から金属武器の

加工制作や修理をお願いされているようだ。


以前にゴブリンの短剣を修理したのが、

オーク達にも知れたらしく、

そこからセピラムにも金属加工の協力要請がきたらしい。


だが、普通のゴーレム達にそんな能力が有ったのを

セピラムは知らなかったらしく、

仮にできたとしても、細かい指示などはゴーレム達には

難しいのが普通らしい。


そこで俺に頼みたいようだ。

確かに金属の変形は魔素を消費するし、

アークミスリル?以外の金属は確かに変形させにくい。

単純な機械的に動くゴーレム先輩達には

確かにかなり難しそうだ。



さらにセピラムの話を聞くと、

オーク達はこのダンジョンの

管理の手助けをしてくれていて、

良き隣人だと言う。


いつもはゴブリンやコボルト達に

ダンジョンのモンスターを倒させて、

魔晶を集めさせていて、

ここまでの道中の彼らの護衛と

このダンジョンの警護を

オーク達が受け持っているらしい。


オーク達が直接ダンジョンで魔晶を集める事も有るようだが、

基本は他の二者に任せ、

どうやら彼らの戦闘能力を向上させているらしい。



ダンジョンの仕組みやオーク達との関係なども

後で改めてセピラムが色々教えてくれるとの事なので、

今後に期待だ。



『タブン明日辺リ二、

ブモンッテオークガ訪レテ来ルカラ、

ムー、、、レーア、、ニハ、

彼二同行シテモライタイノ』


…やっぱりムーって呼びたいのかな?


『オーク達ニハ結構オ世話二ナッテルカラ、

レーアノ可能ナ範囲デ協力シテ、アゲテ、、』


「わかった、可能な範囲でオークに協力するよ」


返事をした俺だったが、

セピラムの思念に鮮明さがかけ始めた事に気がつく。


色々と話ながら教えてくれたので、

時間的にももう夜中になってしまっているだろう。


「…そろそろ良い時間だし、

休んでまた明日にしようか?」



『ソウシテクレルト助カル~♪』


『コノ念話デ魔力ノ使イスギ~』

『流石二疲レテタ~』


やはり、魔素の使いすぎと疲労の蓄積が有ったらしい。


「セピラム、ありがとう」


『イイエ~、一回寝ルネ~』


常時わずかにつり上がった目をしている

セピラムだが、

今はその目尻が垂れ始め、

片目を擦り確かに眠そうにしている。


そのセピラムに「お休み、セピラム」と思考を送ると、

セピラムが一瞬硬直した後、

羽がパタパタと激しく動き始める。

どうやら「お休み」を言ってもらえたのが

そうとう嬉しいようだ。


『ウン♪オヤスミ、レーア』


満面の笑みのセピラムを「お休み~」という思考と共に見送る。


それに満足したセピラムは、

フワリと部屋の緑が生い茂る方へと行き、

石板の中へとスッとすり抜けるように消えて行った。




さて、、、。




魔素の補充できなくなったこの実家。

俺の方は魔素の保有量にはまだ余裕が有るので、

いきなり行動不能にはならないだろう。

いざとなれば魔晶のストックも少量だが有る。 


故意に大量に魔素を使ったりしなければ、

明日までならまったく問題無いだろう。


地下11階層、動きを止めているゴーレム先輩の隣、

少し間を明けてゆっくりと腰を下ろす。


あぁ~、大亀に託された甲羅、

渡し忘れてたな。


こちらは明日にするとして、

とりあえず、一番気になっていた、

セピラムが勝手に進化させられた

キュタロ達の確認に入る。


セピラムの話では、

キュタロからハイキュタロになったらしい。

意味だけ考えれば、

上位種へ進化したって事だろうか?


とりあえず、腕などを軽く動かしてみる。


うん。


今までどうりに意図して動くので問題無い。

若干動きが軽くなった印象か?


素早く動かして見ると、

前よりも少し早く動くようだった。


腕の動きだけではわからないので、

とりあえず立ち上がって走って見ると、

前よりも明らかに早く動けるようになっていた。

感覚的にも人だった頃と遜色無い感じで

今まで感じていた遅いと思うようなことは無さそうだ。


これだけでも俺的にはかなりプラスだ。


体のサイズが変わった訳では無いので、

あまりドシドシ動いていると休んでいるセピラムに悪いと思い、

状況がわかった所で元の位置に戻る。


腰を下ろして、今度は体の変形を試す。


体の動き同様に、こちらも前よりも

スムーズに変形を行えた。

体の土を使った盾を作り、

盾を色々な形に作り変えてみた。


表面の硬質化も行ったがこちらもスムーズ。

強度の変化は計れないが、

キュタロ間の結束は前よりも強い気がする。

たぶん強度も多少上がっていそうだ。


上々である。



ついでに体内の金属の変形も行ってみる。


アークミスリルの方は今まで同様、

スムーズに加工できる。

だが特別前より早い訳ではないようだ。

だが、レナから譲ってもらった金属の方は、

多少だが前よりも変形させるスピードが早くなった。

金属変形の方は

微妙な伸び代しか感じない結果だったようだ。

ただ、どちらの金属の変形も

魔素の消費量が少し減ったように感じた。


あと気になるのは、

苦手だった骨や鱗や甲殻等の変形ができるようになったのか?

と、キュタロ達の数が減ったときの数の復活のスピード変化か?


骨も甲殻も今まで相性が悪くて持ち歩かなかったので、

今は手持ちがない。

唯一一つ持っているが、

流石に大亀の甲羅で試すのは不味いだろう。


キュタロ達の数を減らすのも

自らでやるのは気が引けるので、

この辺りは追い追い確認することにしよう。



総合的には能力の底上げができた感じかな?


やっぱり進化はメリットが多いようだが、

俺本人を進化させる時は、もう少し慎重になりたい。

特に体の母材が変わるのは、かなり使い勝手が代わりそうなので、

進化先は注意したいな。



キュタロ達の検証も終わり

やることが無くなったので、

俺も久々にゆっくり眠るとする。


ここに帰って来るまで、

キツくなかったからとは言え、

ほとんど昼夜移動していたため、

ゆっくり寝るのは久々だ。


久方ぶりの感覚を味わいながら、

俺はゆっくりと意識を手放して行った。




ーー暗転ーー



『オハヨー』


いきなり頭に流し込まれる思念に

俺はパッと目を覚ます。

案の定、思念の送り主は

俺の目の前をフワフワと浮かんでいた。


体感的にはかなりの早朝。

聖霊さんはかなり早起きのようだ。



「おはよ~セピラム」と俺が思念で返すと

その思念を拾い上げたセピラムが

『ウンウン、オハヨウレーア』

と返してくれた。



『サーテ、今日、、、モ!!、、、特二ヤル事ガ無イノヨネ…』

『レーアハ何カ聞キタイ事有ル?』


ゆっくり立ち上がりまだ寝起きで本調子ではない

頭を上げる。


も!!に結構感情がこもっている思念だったな…。 

ここも少し気にはなるが、

だが、聞きたい事は他にも色々有るし、

忘れる前にと思い、俺は体から

大亀の甲羅の一枚を取り出す。


俺が腹から取り出した物をセピラムが眺め。


『レーア、ソレ、何ノ甲羅??』



えっ??

何のだろう??


大亀の種族を俺は知らないし、

これを渡せばセピラムなら大亀の事が解ると、

大亀が言っていたと記憶しているのだが、、、。


セピラムの方は、

俺が高速で疑問を浮かべたので

思念を拾いきれなかったらしく、

目を上方でキョロキョロさせて戸惑っていた。


俺はゆっくりと発声するように

思念をまとめる。


「ラントの森の北方、ゲジド山脈との境、そこの滝壺にいる

大きな亀のようなモンスターから友好の証しとして託された。」


少し時間をおいて、セピラムがフムフムと腕組みしながら、

俺の思考を読み解く。


『ゲジド山脈ハ解ルケド、他ハチョットワカラナイカナ…』


おや?

俺よりも色々物知りだと思っていたセピラムでも、

ちょっとわからないらしい。

大亀の話とだいぶ食い違っていることに俺が悩み始めた時。


『アタシ、400年外二出テナイカラ、

外ノ事、良クワカラナイカナインダヨネ。』



…………はい??

400年!?

外に出てない??

えっ??だってオークの事とか知ってたのは??



『ア~、アレハオーク達ガ色々教エテクレタカラ♪』



大亀の事は??



『ン??今、始メテ聞イタヨ』



…………。



『…??』




400年、、、

筋金入り&そうとう年期の入った

引きこもりっ子らしい。

まぁ、ダンジョンのマスターとしての義務的な物とか

あるだろうから仕方ないことなのかな??


『アァ~、大体ソンナ感ジ』

『因二ダケド、レーアモダヨ』

『正確ニハ、レーアノ自我ガ覚醒スル前カラ

換算スルトダケド』


ふむふむ。

良く良く話を聞くと、

俺のこのゴーレムの個体?も

セピラムと同時期にこのダンジョン作製時に

生まれたらしい。


つまり俺も仮だが400歳って事だな…。

結構、歳、だな。


、、、つまり目の前の聖霊さんは、

可愛い容姿だが実際には

超ハンドレッド級のおbaaちゃんらしい…。


『ソンナコト無イヨ!!』


あっ、思考拾われた、不味い。


『ソレ二、聖霊的ニハ脂ノ乗リ始メタ

丁度良イ時期ナンダカラネ♪』


プンプンと仁王立ちで怒った後に、

体をクネッと曲げてウインクしながら

可愛いポーズを取るセピラム。


確かに可愛いのだが、聖霊と言う種族の脂が云々などは、

人の感覚でもゴーレムとしての感覚でも分かりかねる。


「作用ですか~なるほど、なるほど」


と適当に返すと、

また少しふくれるセピラム。

まぁ、可愛いのは認めるけどね、と軽く考えていた思考を拾ったのか、

その後からは羽の動きが速くなり、

ご機嫌に戻っていたので良しとしよう。


そのご機嫌なセピラムにとりあえず甲羅を

渡そうとすると。

『ソノ亀ノ事ハワカッタ』

『甲羅ハレーアガ持ッテテ』

との事なので大亀の甲羅を体の中に戻す。


「大亀~、とりあえず伝えたぞ~」


伝わらないだろうが、大亀のいるだろう北方に向けて

俺は思念で報告した。


『レーアガ良クシテモラッタミタイダシ、

新タナ良キ隣人二ナッテクレソウダネ』


「隣人と言うには距離が結構離れているかな」

「ただ、良くしてもらったのは事実だし、

そうなったら俺も嬉しいかな」



俺の思念に『ウンウン♪』とご機嫌で応えるセピラム。

大亀からの頼みはこれで完遂で良いだろう。


俺がちょっとした達成感に浸っていると、

セピラムが上方に意識を向ける。

ここの上方。

ダンジョンの入り口だろか?と考えていると


『ブモン、来タミタイ…』


昨日セピラムが言ったいたオークだろう。

良き隣人と言っていたがセピラムの表情は

嬉しいとも嫌悪感が有るとも違い、素に近い表情。

羽も普通の速度のはためきに戻っている。


俺としてもオーク達との関わりは久々になる。

ましてや今回は彼らからの明確な要求を

すでに知っている。

気負う事は無いだろうが、

なんとも言えない緊張感も有る。

俺自身もセピラム同様に、

どっち着かずの何とも言えない感情をいだくのだった。

すみません、以前の話を読んだら

ダンジョンの階層についての違いを見付けました。

時間出来たら後だ以前の話を修正しますm(__)m


といあえず、今の段階でのラントのダンジョン


1~9階層:ノーマルフロア

10階層:ボスフロア(ボス見習いのラクラグは基本ここ)

11階層:サブ管理エリア(セピラムさんのフロア)

12~19階層:ノーマルフロア

20階層:ボスフロア

21階層:メイン管理エリア(現在使用不可)

22~29階層:ノーマルエリア

30階層:ボスフロア

31階層:最深部(居候の龍種がここに)

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