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8.海へ

川岸をそのまま南下し海に着いた。

海の色は川の色と混じりあい、手前は綺麗なエメラルドグリーンになっていた。

そしてその先の海は地球と同じ蒼色で、

空の青と共に綺麗な水平線を作っていた。

美しいと思える光景だった。



しばし干渉の浸る。





さて、、、



海岸は川から流れてきた土が影響しているのか

淡い黄色の砂で埋め尽くされた砂浜だ。

砂浜の幅も人間だった時の感覚が狂ってなければ

3,40メートルぐらいあるだろうか。

広い砂浜で視野がかなり開けたので周りが見渡せた。



ここは非常に大きく緩やかなU字の砂浜になっている。

西の方の海岸は緩く曲がった砂浜が長く続き

その先の方に大きな一つの山が海岸沿いにある。

その山は中腹より少し上くらいまでが

緑に被われているが、それよりも上方は黒い岩肌が見える山だ。

その山は結構大きいようでその山の裾野が

そのまま海岸に被さる形で砂浜がそこでとぎれていた。

その裾野に隠れる形でその先は見えない。


逆に川を挟んで東側の海岸も緩く曲がっていたが、

こちらは距離感的には西側の山よりも

近い位置に山脈がある。

とは言っても海岸を歩いたら半日ではすまないような距離だろうか?

その山脈が海とぶつかり断崖を築いている、

なのでこちらがわの砂浜は西側に比べて短い。

そしてこちらの山脈は黒と言うよりも濃いグレー色で、 

内陸に向かって長く延びたいるのが分かる。

断崖の先にも緩やかに陸地は続いているが、

先の方まで行くと霞んでいてはっきりしない。


緩いU字型の海岸、山頂の黒い大きな山、

灰色の長い山脈、そして大きな茶色い水の川、

この4つが織り成す地形から、もしこの世界に地図などが有れば、

現在地がかなり絞られると思う。

かなりの達成感がある。

あまりの達成感にゴーレムのゴツい腕で

ついついガッ〇ポーズをとってしまった。



だがここで一つ問題が。


非常に腹が減った。



空腹と言って良いのか少し微妙だが、

とりあえず、ダンジョン内ではこんなことは無かった。

違いと言えば、常に移動していた事と、

ダンジョンの外だということか。

もともと生まれた所がダンジョンなら

ダンジョン内では食事が不要な

何かしらの仕掛けがあるのかもしれない。

これも今後解明したいリストに追加だ。


周りを見渡す。

やはりこの状況で目に入るのは、

海岸沿いのあちらこちらに密林内には見られなかった

ヤシの木の様な木が生えていた。

横に線の入った幹が、空に向かい高く伸び、

その先端に大きなく長い葉が何枚も開く。

木によってはその葉の付け根に果物にしては大きな実が、

2~5、6個実っていいる物がある。


実りの有る近くの木を揺すってみる。

ゴーレムの力で折らない様に大きく揺すったが

この木の実は落ちないようだ。

もう一つ先の木を揺すってみると

実が一つ落ちた。

実は大まかに分けてグレー、黄色、緑の物があり、

緑色の物は小さい。

そして今回落ちたのはグレーの実だ。


グレーの実が付いている木を探しながら

海岸を西側に向けて歩く。

ほどなく実が4つほど集まったので、

食事にしてみようと思う。



実をゆっくり解体してみる。

グレーの薄い皮の下には繊維質の層があり、

その層の先に少し光沢の有る硬質な部分が覗いていた。

その硬質な部分だけになるようにグレーの皮と繊維質の層を取り除く。


一回り小さくなった実を見る。

さて、これがヤシの木と同じような物なら

この硬質な部分を割れば中から

甘い汁やココナッツミルクが出てくる訳だが、、、

それが毒ってことはないよな、、、?

土の体に毒が有効なのか不明だが、、、。


とりあえず物は試しだ。

その実をそのまま口の中へと入れる。

ダンジョン内と同じように

食べるイメージをすると体内のバクテリアみたいな者たちが

身と接してい部分の表面を分解し始める。

あ~、楽しみたいのは、

こういう皮の味じゃ無いんだよなぁ~と思いイメージを中断。

歯みたいな物が有ればと思い、

口内の上下の土を固くできるかイメージすると、

これもバクテリアたちには可能らしい。

石とはちょっと違うが

土をかなり圧縮したイメージの物が出来上がる。

これもまた使えそうな能力なので、頭に入れておこう。


そして口を閉じ、口内で硬質化させた上下で実を挟む。

口内で硬質化させた上下をプレス機のようにして

実をゆっくり潰していく。

ニチチチと何とも言えない音の後

「ガシュッ」と音を立てて

中身が口内にに広がる。


くどく無い甘さでうまい液体が入ってくる。

少し酸味も混ざっていていい感じだが、液体はそれほど量は多くない。

心なしか体の土がが潤った気がする。

実の殻を一つ口から出して見ると

殻の内側は球状になっていて、そこに白い凝固体が付いている

この辺りもヤシの実に構造がちかいのかもしられない。


殻の内側にも口内の土を当ててみる。

こちらはかなり味が濃く甘くてこちらも美味い。

殻の部分を残してすべて平らげる。

この部分は確かココナッツオイルとかの原料だったか?

オイル、、、使い道絶対あるよな。

殻も綺麗に割ることが出来れば

簡易な皿か器になりそうだ。

繊維質の部分も活用できそうだ。



腹の虫、、、というかバクテリア?が多少収まるので、

もう一つ同様に食して皮と殻を廃棄。

空腹間は少し紛れたが食事としては物足りない。

残った二個のヤシの実モドキを抱えて他をさがす。



しばらく海岸を西側に向かって歩く。


右手の森もそうだが、海岸も海も異様に静かだ。

聞こえるのは波の音と木々葉の揺れる音。

地球なら海鳥なんかがいても可笑しくない環境だと思うのだが。


周りを見渡しながら動いていると、

すこし前方で何が動いたようだ。

すぐに動きを止めて、前方を確認。

一つのヤシの木モドキの下で

グレーの物がまたガサっと動く。


一瞬自分が抱えてる実と同じ物かと思ったが

それにしてはサイズが少し大きめだ。

その物体からは似通った色の大きな蟹の挟みみたいな物が伸び、

本物のグレーのヤシの実モドキに手をかける。


そこで自分は身を低くししばし監察することに。


裏からなので、良く見え辛いが、

どうやらヤシの実モドキを解体しているらしい。

皮やその内側の繊維質の部分を剥ぎ取り、

周りに廃棄していっいる。


「ガシュ!」

大きな音が監察している対象の方から鳴り

同時に動きのあったグレーの物体からは

二個の黒い突起が上に飛び出す。


「ヤバイ!」と思った。

だが何もできない。

そのまま身動きしないで過ごす、、、。




しばらくして監察対象は作業に戻ったらしい。


土の体が幸いしたのか、誤魔化せたみたいだ。

どうやら実を割った時に音を出したので、

周りを警戒したらしい。


すると、監察対象ヤツは食事に入った頃か、、、



対象が監察対象から獲物に変わる瞬間だった。


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