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74.殺さぬ盗賊

ちょっと長いです。

「お頭~」


締まりの無いダレた声で、俺は目を覚ます、、、。

昨日少し飲み過ぎて頭が重く回らない。


「あぁ~?どうしたぁ~??」


テントの中の長椅子で休んでいた体をお越しながら応える。

体の節々が少し痛む。

酔ったまま堅い長椅子で寝たせいだろう。


寝たのに全然疲れが取れてねぇ~。


「お頭、どうぞ」


先程俺を起こした声の主、

小柄な男がさらに背を曲げて俺にグラスを差し出す。

サツだ。

俺たちの家業は盗賊。

その中でも、サツはその頭脳で一躍買っている。

切れ者と言い切って良いほどの頭脳だ。


そのサツの指示で俺達は拠点をここに変えて

しばらく経つ。

いろいろ面倒な事も増えたが、

お陰でそれ以上に随分と楽をさせてもらっている。

現に昨晩も良い宴になった。

俺のお気に入りの子分の一人だ。


そのサツが差し出したグラス。

その中身を重い瞼を開きながら、俺は確認する。


水か?


半分二日酔いの俺を気遣ってだろう。

こういう心遣いも、俺がサツを買っている一つだ。

他のヤツもここまでとは言わねぇが、

もう少し俺の気持ちを察して欲しいもんだ。

まぁ、どいつもいろんな形ではあれ、

俺には一定の敬意ははらってるみたいだから

良いんだけどよ。


「あぁ、わるいな」


サツは俺にグラスを預けると、

曲げてい背を少しのばす。

そして、身長の割には少し長めの腕を曲げて手をこね、

嫌らしくニタついた笑顔で俺の様子を伺う。

その口元は歯が疎らに抜け落ちている。

染みも大きくはっきりした物が多く、

気色悪い顔だが、俺は慣れたもんだ。


受け取ったグラスを口元に近づけた所で、

俺は異変に気が付く。

グラスを持った腕を止めた俺。

その俺の顔を笑顔で手をこねながらサツが伺う。


その伸びてきたサツの顔の登頂部を

擦るように片手で軽く叩く。


「酒じゃねぇ~か!」


叩かれた腕に持っていかれるように

首を軽く曲げたサツが応える。


「へへっ♪」

「迎え酒ってヤツですよ♪」


グラスの中には、淡く黄色に色付いた

果実酒が入っていた。

その見かけよりなにより、

口を付けなくても漂うフルーツのような豊潤な香りが、

それグラスの中身が酒で有ることを教えてくれた。


「こいつ…」


俺の愉快と不愉快の混じったような顔を見て、

サツは口角を更に上げて笑う。


まぁ、俺の方も顔に滲ませたほど不快ではない。

サツもそれを知っての笑顔だろう。


フンと短く鼻でサツに応えた後、

俺は、グラスの酒を一口喉に流し込む。


酒の善し悪しなんて殆んどわからねぇ~が、

これが良い酒なのは何となくわかる。

そう思わせるのに足る、豊かな味と香りが

淡い熱さと共に俺の喉を踊り抜けて落ちていく。


それを味わいなが、昨日の美酒にまた思いを更ける。



俺たちは、昨日、商人の商品を頂いた。

いや、正当に″譲り受けた″のだ。

ここが大事だ。

決して奪った訳ではない、ということだ。


昨日はラントの森のここを拠点に変えてから、

典型とも言えるケースの仕事だった。


ここは"人""アーミークラブ"そして"ラバット"

その三者の干渉領域の(はざま)なのだ。


ここより東方は、″アーミークラブ″達のテリトリーだ。

群れる奴等はかなり危険だが、

距離はかなり離れているので、心配は少ないはずだ。


そして、ここより北側にはすぐにゲジド山脈が有る。

ここは″ラバット″達の生息域だ。

奴等は、耳がウサギの様に発達した大きな蝙蝠、、、。

言葉にすれば可愛らしいかと思うが、

その大きさは人よりも一回り大きく、

艶やかで真っ黒なグロテスクな顔と翼をしている。

そして、そちらのインパクトが強く、

対峙した者は、耳が長い事など眼中に入らない。

そんなラバットの強靭な足に捕まるった者は連れ去られ、

まともな形では二度と帰って来ない。


その姿と人を連れ去り食う行為から、

″ゲジド山脈の悪魔″などと呼ぶ者も多い。

障害物の無い山脈で飛行する彼等に出会ったら、

まず生け贄無しには助からないだろう。


冒険者共がマメに討伐を試みているようだが、

ラバット達は、頻度はかなり低い物の昼夜神出鬼没。

全体的に夜に出てくる事が多いが、

真っ昼間にも出る事が有るようだ。

そして、ある程度知識が有るのか、

優れた聴覚で人の動きや出す音から、

襲う者を選び、ラバット達の討伐が目的のグループには

決して近づかないのだそうだ。

そのため、討伐例は他のモンスターに比べて

かなり少ない。


その危険なラバットを中心に色々なモンスターが、

広く生息する山脈が長く伸びるせいで、

この大陸は北東の少し小さめ大地と

南西の大きめの大地に隔たれている。


その険しい山脈に一ヶ所だけポッカリと南北を繋ぐ

大きな谷が現れる。

ゲジド山脈の大割れ。


不思議な山脈の亀裂で、

神話には何ちゃらって神が、

剣の一振りでどうのってのが有るらしいが、

確かに不自然な形の大きな谷がそこに有る。



両脇が切り立った崖だが、

底の部分には十二分の空間が有り、

人の交通には何の不便も無い。


だが、ラバット達が飛び回るには、

左右が切り立って塞がれた谷の中では手狭。

さらに、ラバット達の放つ音魔法を

撹乱するように作動する

音の魔道具が谷にはある。

それが左右の崖で反響しあい、 

魔道具発動時は人も酷い状況になるようだ。

それを学習しているラバットたちは谷には近づかない。

他の知識あるモンスターも、人類の警護の堅い

谷の中には近づかない。


まぁこの大陸の、南北の交通の要であるここを、

人は失うわけにはいかない。

その谷の守りに大割れ北側のハザール、

南側のセイニ、その両国はかなり力を入れている。

当然、他の迂回路の無い大割れを通り、

その両国を通る商品には関税がどっさりとかかる。

ましてや嗜好品の酒などには特にだ。


逆にこの大割れを通らなければ、

関税のどっさりかかる2国を避けられる。

無理してでも迂回し、悪魔の出るかもしれない

山脈を渡りきれれば、関税分の料金は自らの懐に、、、。



そう、そんな商人達の荷物が俺達の獲物だ。


ハザールよりも小規模な国のセイニ。

こちら側はハザールよりも使役兵が少ない。

それにこちら側には、ここ、ラントの森が有る。


魔物の随時沸いてくる大森林。

冒険者達だけでは手が足りない時は、

使役兵を使って森の中の魔物を減らすことも有る。

そうやって″人″の領域を保っているのだ。


それに当然だが、大割れのみが物流の窓口ではない。

他国への街道の安全有ってこその、大割れなのだ。

西方、南方、そして

ラントの森を大きく迂回した南東の国ズサなど、、、。


大割れ北側の大国、ハザールと大割れの主権で渡り合うには、

それなりの力を大割れと

国内と国周辺の安全管理にあてがわなくてはならない。

その一環の随時行われるゲジド山脈と

ラントの森のモンスターの間引き。


セイニの国は、盗賊である俺達への対応は

どうしても後手後手に回る、、、。



というのが、セイニにの表向きの理由だろうな。


セイニの奴等としても、関税を払わないで、

北側に品を送る者を増えるのは面白くねぇのだろう。

むしろ関税をはらわせたいんだ。

俺たちがいることで、逆に関税逃れの

″山脈渡り″の失敗は「見せしめ」になるんだろう。


表だっての繋がりは無いが、

利害の一致ってやつだな。

互いに関わらないことで、

お互いの得になるって寸法だ。

これからも俺達の事ある程度の容認することは

期待できるはずだ。


俺は、後になってこの事が解ったが、

そこに目を付けたサツは、やっぱり切れ者だ。



俺の賊は結構な人数だ。

この拠点だけで20人弱。

犯罪などでも未だ顔の割れていないメンバーは、

セイニで情報を集めさせている。

一つのグループには、冒険者として生活させながら、

更にコアな情報なども集めさせている。

その構成人数は40人前後、、、。

多少変動は有るが今はその人数で落ち着いている。

その半分を情報収集に当てているが、

これもサツの指摘だ。


あらかじめ情報を仕入れる。

そのことで、

セイニ国の魔物の間引きに

巻き込まれないようにすることや、

冒険者や用心棒などの付いた

山脈渡りのグループの把握ができる。


魔物の間引きに巻き込まれて使役兵どもと

鉢合わせるのもごめんだし、

獲物を襲うつもりが、

返り討ちに合うのも確かにごめんだ。


面倒な事も確かに多いが、

情報が大事なのはよぉ~く解った。

だが、セイニの国の内政だけでなく、

外政の情報もある程度集めさせているのは、

正直俺には良くわからねぇ~。

まぁ、この辺りはサツに任させておけば良いだろう。

俺としては、楽に上手く稼げればそれで良いんだ。


テントの端に貯められた昨日の獲物を改めて見る。

色気付いた商人がこちら側で安く仕入れ、

北側のどっかの国の貴族にでも、

高額で売り付けようとしたであろう品々だ。


ありきたりな金貨や宝石、衣類などはともかく

足の付きそうなさらに高価で特別そうな物は、

ある程度ほとぼりがさめるまでは、

闇市の方にも流しずらい。

たとえ出せても、訳有りと知った者は、

売り手買い手共に、手をつける者が減るものだ。



今さっき口にした酒も、

かなり遠方の物らしく、

ここらではまず手に入らない。

売れれば高いが、

間違いなく足が付きそうな逸品だ。

「飲んでしまった方が良いかもしれません。」

それがサツの判断だった。


俺はそれを聞いて宴にすると決めた。


宴の時などに見張りをかって出た者には、

先に好きな品を選ばせてやるのがここのルールだ。


金品食料だったり、女だったりもするが、

今回は酒。

酒好きの者たちは、自分がキープできる分と

宴で使われるだろう酒の種類と量とを

見比べては頭を抱え、

なんとか見張りの人数が二組6人が決まった。


見張りは常時3人。

比較的人やモンスターの現れやすい方角の、

北西と南に常に一人づつ配置し、

左回りで一人が拠点の周りを見回り、

北西か南に来ると、見張りと交代して、

交代した者がまた左回りで見回りをする。


見張りの居眠り防止であるのと、

トラブルが有った時には、

このサイクルが止まるので、

すぐに異常に気づくって寸法だ。



そして俺達は、二組6人分の酒を取り分けてから、

宴を楽しんだ。

見慣れない酒が多かったが、

それぞれの口に合うもの手に取り、

つまみと共に楽しんだ。



遠方で手に入れた上等な酒も多かったのだろう。

商人もバカなもんだ。

持ち物的にはズゥーハの商人だろうか?

帰国が近くなり、目先の金に目が眩んで、

最後に大きく節約しようとでも考えたんだろうな。


ゲジド山脈の調査云々と書いたクエストで、

安い下位のGランクの冒険者チームを雇っていた。

だが、この手のクエストは大体が

山脈渡りが目的なのが相場だ。

その手の玄人の中位冒険者チームならともかく、

クエストを受けた冒険者達も

まだ無知な駆け出しの連中なのは、

セイニの仲間から情報をもらっていた。

まさしく鴨だった。


商人とその直属の従者兼護衛が3人、

冒険者チームは少し多い6人編成のチームで、

合計10人。

セイニからラントの森とゲジド山脈の間を馬車で通り、

ゲジド山脈に登り始めた所で

こちらから一気に仕掛けた。


すぐに弓矢と魔法の応酬になるが、

こちらは倍以上の人数を用意し、

木々などの遮蔽物の有る森側から攻撃した。

地の利と数の違いで結果は歴然。


商人側に三人の負傷者が出た所で、

商人が怒鳴り散らし、

強硬突破で山脈を登り始めようとする。


そこで俺は、大きくこだまするように、

山に向かって声をかける。


「おぉ~い、そんなに負傷者がいてぇ~!!」


「その血の臭いで、この先

悪魔達を呼び寄せちまうんじゃねぇ~のかなぁ~!?」



出現率の低いラバット達ではあるが、

弱った者を狙うのは、

動物、モンスターの本能だ。

確かに人数を集めれば、

警戒したラバット達や他のモンスター達との

遭遇も減らせるが、

今の商人達一行の状況では、

逆にラバット達を呼び寄せてしまうとも考えられる。


未だに山々に小さくこだまする俺の声を聞き、

商人一行の足が一気に鈍る。

それを見て部下達が小さく笑い、

各々にささやき始める。



それを確認してもう一押しする。



「今、馬車を置いていってくれたらよぉ~!」


「身ぐるみまでは剥がさないんだけどなぁ~!!」


「帰り道、丸腰で大丈夫なのか~!?」



そこで森から一斉に部下達を出し、

商人一行に見えるようにする。


数に加えて拠点が近い俺達は、かなりの軽装。

このまま追い続ければ、

確実に追い付けるだろう。


一方、各々が山脈に入るために

荷物などが重装備の冒険者。

舗装もなく、岩肌と前日の雨との

ダブルコンボの悪路の上に、

積み荷の多い馬車。

おまけに負傷者のいる状況の商人一行は

ポツポツと足を止め始める。


もし追い付かれれば、身ぐるみはがされた状態で

ゲジド山脈かラントの森へ放り出されるのだ。

まぁ、部下達がそれだけで済ませるかは、

知ったことでは無いが、、、。


そうなったら、まず無事にはセイニには帰れない。




「馬車を置いていけぇ~!!!」


俺からの最終通告だ。



今までに無い強い口調で俺が叫ぶ。

それに合わせて部下達がしゃべるのを止めて、

商人一行を睨み付ける。



自分達よりも明らかに

数の多い荒くれ者たちに睨まれて、

完全に足を止める商人一行。


現にこの忠告を無視したら、

力ずくで全て奪う。

その事は部下達も承知しており、

全員からピリ付いた雰囲気がその場を包む。



少しの間の後、目配せした冒険者達が動き始める。

そして、若いリーダーらしき弓持ちの男から声がかかる。


「身の安全は保証してくれるのか?」


「そのまま馬車から離れて行けば、

セイニには無事に帰れるんじゃないか?」


と俺は、応える。


弓持ちの男の側にゆっくりと集まる他の冒険者達。


商人が小声で彼らの一人一人をを止めようとするが、

冒険者達は止まらない。


元々安い依頼料で雇われただけの奴等は、

これ以上リスクを背負うのをやめたらしい。


所詮は、冒険者なんて雇われ傭兵とさほど変わらない。

この状況では当たり前の判断だろう。

悔しそうな冒険者達に、

南西方向の部下達を下がらせて道を譲る。


負傷者に肩を貸しながら、

ゆっくりと退場していく冒険者達を

その場に残る者が見つめている。

だが、その表情はこちら側と獲物達とでは、

真逆と言えるような物だった。


ニヤつき始まる部下達が、

じりじりと商人達へと近づく。


商人の従者達がまだ武器を構えるも、

多勢に無勢。

こちらに切り込む者はいない。

一人の従者は馬車を今にも走らせようと

している商人を必死で押さえ込んでいる。

馬の方も手綱をもつ者の異変と、

俺達の包囲に興奮していなないている。


部下達が完全に馬車を包囲する。

怯える馬の首筋を優しく撫でてなだめながら、

俺は懐に入っている銀貨を指で弾く。

それを空中でつかんでまた弾く。


その動作を繰り返しながら、、、


「この馬車とこの積み荷を合わせて、

この銀貨と交換してくんねぇ~かな~?」



中身がどんな物かは知らねぇ~が、

明らかに相場とかけ離れた値段交渉に、

未だに従者と絡み合っている商人が

さらに顔を真っ赤にして怒鳴る。


いや、怒鳴ろうとするところを、

従者に力付くで口を押さえられて、

籠った怒鳴り声をあげる。

それを書き消すように、大きな声で

商人の代わりに従者が応える。


「ど、どうぞ、、是非ともお願いします」


その返答に、


「そうか、悪いなぁ~」

「気を付けて帰れよ~」


そう伝えて銀貨を別の従者に投げる。


そのやり取りを聞いていた別の従者が、

商人を抑え込んでいた従者と共に、

商人を馬車から引きずり下ろす。


暴れて怒鳴り散らす商人。


その商人を強引に引きずりながら

従者と商人が去っていく。



「あの商人、従者に助けられましたね…」



俺の脇でサツが小さくこぼす。


商人はともかく、

従者の方は世間を知っていたのだろう。

俺の最後に提案を断れば、皆殺しだったと、、、。

それをわかってたんだろうな。



だが、ここを拠点にしてからは、

俺達は殺しを控えている。

前は、当たり前のように獲物達全てを殺していた。

その方が証拠も残さないし、

面倒が無かった。


そうして、俺達の噂が広まる前に

国や拠点を変えてきた。

それが当たり前だった。


それは俺たちを危険視した国や

獲物達の敵討ちに雇われた傭兵や冒険者などに

追われてのことだ。



それがサツの提案で

ここを拠点にしてから変わった。


俺たちは、ここでは殺しを極力控えていた。


完全にではないが、

先程のようにバカな商人と

似たようにバカな一行などの時は、

半殺し程度にしたことは有るが、

それで留めるようにしている。


人を多く殺せばそれだけセイニの役人に

危険だと目をつけられ易くなる。


逆に生きて帰った者達、、、

生き商人ならぬ生き証人が居ることで

俺達の噂がセイニに流れることになる。

それは出来心でセイニからの

山脈渡りをしようとする者を減らせる。

これは、税収の増えるセイニの役人たちには

嬉しい事なのだ。


それに死者が出なかったという事は、

山脈越えを真に試みる者達には、

逆に朗報なのだ。

万一の時は、俺達の指示に従えば、

命は助かる。

(ここらの情報を先程の従者達は

手に入れていたのだろう、、、。)


それに俺達がここらに長く幅を利かせているので、

他の盗賊団はまず入ってこられない。

ある者は、先にこちらに使者と

貢ぎ物を持ってきたりもする。

そういった使者の指定したグループを

何度も見逃して山脈渡りをさせたことも有る。

大概こういった連中は大割れを

通ることのできない密売品が主で、

その護衛には、

国を追われるような重犯罪者なども混じっている。


そういう、訳有り品を黙って見逃すだけでも、

そこそこ稼げたりもする。

今回のようにバカな商人が居れば

がっぽり稼げるし、

セイニの国は俺達の討伐に本腰を入れることはまずない。

それらが、俺達がここを長く拠点にしている理由だ。



寝すぎたせいで、昼前か?

俺は、サツから受け取ったグラスの中身を

全て喉に流し込み、低い丸テーブルにグラスを置く。



そこに、



「お頭~!」



目覚めの時と同じく俺を呼ぶ声だが、

声の主はサツではない。

テントの幕を素早く開ける音の

すぐ後に聞こえたその声には、

多少警戒を促すようなような強さが有った。


その声に「どうした!?」と応えると。


「東方から女が一人!」



その一声に俺は、多数の疑問が一気に浮かぶ。


東方、女、一人。


女はらともかく、東方と一人ってのは、

強く頭に引っ掛かりを覚える。

頭を整理しつつも部下の声に「すぐ行く」と応えて、

俺は武器を持ちテントを飛び出した。



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