4.実家を冒険
妖精の少女が目覚める。
寝ていた上半身をお越しながら
左目をうっすらと開けながら、右目を擦っている。
目覚めが良い感じではなく表情はどこか疲れている。
そして、少し釣り上がった黒い目をパチリと開けてこちらを見る。
ここへ来て自分の大きなミスに気がつく。
起きた少女に話かけようと思ったのだが、言葉がでないのだ。
あれだけ時間があったのにそこを確認していなかった。
自分に「マジか~」と呆れたくなる。
少しの間見つめあったままだったが、
少女の方が顔を背け無言でゆっくり飛び上がり、
部屋の緑のある側へと行き、そちらの壁の
彫刻とも石板とも取れるような文字の入ったブロックへと
通り抜けるように入って行き、いなくなった。
「マジか~」、、、
起きるの待ってたのに、、、
そばらくして、部屋のゴーレム5体が立ち上がる。
そのあと少しして、3体のゴーレムが黒髪の彼女が来た方の扉から入った来る。
そしてまたもう少しして新たなゴーレムが3体合流する。
計11体のゴーレムが集まった時点で石板から妖精の少女が出てくる。
ゴーレム先輩たちは黒髪の女性の向かった地下へ向かうようだ。
ある程度並んで進むようだが、足を動かすタイミングなどはずれている。
そんな様子を見ていると頭の中に一緒に下へ行くよう
何か命令みたいな物が届き、頭に響く。
ふと少女の方を見ると明らかにこちらを見ている。
「無理ですって、、、」
そのまま少女の方を見ていると
更に強い感じで先ほどの命令のようなものが頭に響く。
「本当に無理ですって、足手まといにしかなりませんって。」
心の中でそう抗議して少女を見る。
少女の方もしばらくこちらを見ていたが、
最後は諦めたのか、大きくため息を下の方に向けて吐き
そのまま石板の中へとまた帰っていった。
先輩たちも下へ向かい少女も石板に入ってしまった。
少し慣れてきてしまったけど、この周りに付いていけないボッチ感はかなり辛い。
やることも無く、、、やらなきゃいけないんじゃないかってことを拒否したのだが、、、
なんとなくこのダンジョンの構造は分かるので、
他の部屋と階を見てみることにした。
ただ下層へ行くのは論外として、まずは隣の部屋から。
可能なら地上まで行き、地上の様子を見てみたい。
短い廊下でつながった隣の部屋へ向かう。
廊下は自分の腕をを広げると当たるか当たらないかの広さで
部屋に比べて高さは低く、
部屋同士や廊下にはドアや戸は付いていない構造のようだ。
様子を伺うように隣の部屋を覗く。
隣の部屋はもといた部屋よりも倍くらい広いし天井も高い。
天井を支えるためか、壁と同じ材質の4本の柱が
部屋を均等に9分割できる位置に立っている。
特に動く者の気配は無く、安全地帯なのかもしれない。
RPGアルアルのボス部屋って感じか?
ちょっと広いのでフロアって所だろう。
そのまま正面奥に上への階段があるようだ。
フロア主が不在で良かった。
俺はその階段へと向かう。
階段は緩い半円の螺旋になっていて、先ほどの部屋の斜め上に
繋がっているようだ。
そして、そこには、、、、
帰ろう!!
そこにある部屋の中には、
サソリの尾が無いような形でハサミを持つ少し縦長の蟹のような者、
これぞまさしく的な剣盾を武装した動く鎧兵、もちろん中身は空っぽ、
そして木も無い部屋なに立派な下の牙を持った大きな猿のような者、、、
特に暴れている様子は無かったが、とても横を通り抜ける気にはならない。
ほどなく始めての実家?の冒険は終了し
最初の部屋に戻ることにした。