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3.現状把握

少女の乗せた手をそのままに自分の体を見る。


腕、足、体、

己の体全体を見る。


土、土、土である。

我輩は土である。

あ~、放心、、、



長かったような一瞬を乗り越えて我に帰る。


黒髪の女性がこちらを見ているが、

しばらくしてこの部屋の奥へとゆっくり去っていく。

自分にはそれを見ていることしかできなかった。

彼女が去り悪寒が一気に薄れていく。


手のひらの少女は完全に体が脱力しきっていて

すぐに目覚める感じでもない。

優しく片方の手に移し、大きな木から少女より大きい葉を一枚取り、

近くの岩へ葉を置きその上に少女を寝かせた。


自分の体は少しゆっくりではあるが、

思うように動かせた。


落ち着いてもう一度自分の体を観察するが、

見える範囲の部位はすべて土で、

間接などの節やくびれ、凹凸などもない

一筆書で書いたようなシンプルなヒトの形だ。

ちょっとした特長としては、腕が少し長めで逆に足は短め、

首は無く頭と胴体が直にくっついている。

たぶんだが、あちらに倒れたいる5体のゴーレムと同種か類似種族のような

存在であるのだろう。


土のゴーレム、この存在になっているからなのか、

自分のいる所の状況がわかる。

ここは地表から数えて地下31階のダンジョンの

地下10階に当たるところにいる。

そしてここがダンジョンでの重要な区画になっているのが直感的にわかる。

横になっている妖精の少女はこのダンジョンの管理者に近いポジションなのだろう。


先ほどの妖精の少女、ゴーレム、黒髪の女性。

三者の行動から察するに、

少女とゴーレムが守るこの区画に黒髪の女性が侵入、

その進行を止めようと思った二者だが、

黒髪の女性に及ばず先に行かれてしまった。


そんな状況なのだろう。



さてそんな中、自分が何をしたら良いのかがわからない。

自分の役目的には黒髪の女性を止めに行った方が良いのだろうが、

あの悪寒はやばい。

先輩ゴーレム方を一瞬で無力化する相手に

右も左もわからない自分が通用するはずは到底ないだろう。

叶うなら夢から覚め目て元の世界にもどりたいのだが、、、。



少女の覚醒を待ちながら。

先に行った女性が、ダンジョンを内側からドカン。

はい、そこでおしまい~。

産まれたばかり?でそんな結末は勘弁したい。

かなり時間が経っているのでそんなことも考えてしまう。

本当は少女を起こしたかったのだが、

どんな状況にあるかわからない相手を強引に起こすのは気が引けた。


部屋を観察し、時々少女の様子を見たり

これからどうするかを漠然と考えたりと

あまり意味があるかわからないことを繰り返していると、

やっと少女が覚醒した。

ゴーレムの感覚なので曖昧だが時間的には5時間ぐらいだろうか。




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