エスタンジア軍関係者
■ ゲッツ・シュスター (Götz Schuster)
32歳。エスタンジア国防軍少佐で、オーストラリア南東部で活動するとあるウォーカー大隊の指揮官を務める。
南米某所、エスタンジア本国の地下シェルター都市アレマニア出身。エスタンジア政府に近しい上流階級の生まれで、旧世界のデジタル技術が人類を破滅に導くとするエスタンジアの思想を幼い頃から説かれて育った。エスタンジアでは15歳で将来の進路を選択するが、その際には迷うことなく士官学校に入学。その後は世界各地の戦場を飛び回り、行く先々で部下達を勝利に導いてきた。オーストラリアへの赴任は本人の希望であり、戦争の行方を左右するほどの何かを企てているようだが、その胸中を知る者はいない。
映画俳優のような顔立ちに、綺麗に整えられたプラチナ色の髪。過酷な戦場でも常に身だしなみに気を配る潔癖症で、身に纏う黒い士官服にはどんな時もシワ一つ入っていない。その性格は戦い方にも現れており、ローラシア傭兵が得意とするような正面切っての殴り合いや犠牲前提の作戦を避ける傾向にある。
■ ウード・ホフマン (Udo Hoffman)
29歳。エスタンジア国防軍曹長で、ウォーカー戦のプロ。新兵の頃からオーストラリアで戦い続けており、「現地ガイド」としてシュスター少佐の右腕を務める。本編開始時点での乗機は最新鋭の第3世代ウォーカー「ヴォルフガング」。
エスタンジア勢力圏、旧ブラジル領マナウス出身。両親は農業技師としてマナウス近郊の大農園を管理していたが、傭兵同士の抗争に巻き込まれてしまい家族を失う。その後、遺伝子検査に合格し、軍に入隊した彼が赴任した先はオーストラリア。他の同期達が次々と戦死する激戦区においても、全てを失うきっかけとなったローラシア傭兵への静かな怒りだけを原動力に戦い続け、いつしかエースとして一目置かれる存在になっていた。
堅真面目な性格で、あまり多くを語らない。だがエスタンジアへの忠誠心を何より強く持っており、敵対するローラシア側の傭兵には熾烈な攻撃と罵声を浴びせることも。シュスター少佐からは忠実かつ熱心な部下として高く評価されており、公私ともに良好な関係であるようだ。
黒髪とヘーゼル色の瞳。休む間も無く戦い続けているため、フィールドグレイのWCスーツはいつも泥とオイルにまみれている。無精髭を伸ばしており、考え込むときに自分の髭を弄る癖がある。
■ ゲイブ・ヒロタ (Gabe Hirota)
20歳のエスタンジア軍少尉。士官学校を出たばかりの新任で、実戦経験はあまりない。本編開始時点ではまだ固有の乗機を受領しておらず、歩行バイクや作業用ウォーカーなど、その場にある兵器を活用して戦う。
旧ブラジル領ベレンの裕福な家庭に生まれる。父親は政治家で、息子であるゲイブには祖国のために軍人になることを熱心に勧めていたが、自分の行く末を決められることが嫌なゲイブはいつも反発。そのため家庭環境は冷めきり、屈折した少年時代を送る。しかし他になりたい職があるわけでもなく、結局親の七光りで士官学校に入学することとなった。
親の言いなりになることが嫌で、いつも反対していた軍人への道。だが軍服に袖を通し、鏡の前に立ったその瞬間、彼の価値観は一変した──真新しい制服に身を包んだ自分の姿は、想像していたより遥かにハンサムだったのだ。理想の自分を追い求め、愛国心などカケラも持たない男は今日も戦場を駆け回る。
熱心なエスタンジア政府支持者が大多数を占める国防軍士官としては珍しく、政府の動向や戦争の趨勢に一切の興味を示さない。その態度が不真面目に見えるのか、シュスター少佐とはソリが合わず、事あるごとに僻地や死地に送り込まれている。部下の一人であるマイヤー一等兵に一方的な好意を寄せており、彼女の気を引くためならどんな危険な作戦も平気で実行に移す。
レッドブラウンの髪にグリーンの瞳。目つきの悪い痩せ型の男。自慢家かつ極度のナルシストで、海外製の高級ブーツをギラギラに磨き上げ、超絶カスタムが施された黄金のリボルバーを提げて戦場に現れる。周囲の人間からは相当煙たがられているようで、マイヤー一等兵以外からはほとんど口を聞いてもらえない日々を過ごしている。愛煙家。
■レナーテ・マイヤー (Lenate Meyer)
19歳の一等兵で、つい最近ヒロタの隊に配属された新入り。ヒロタから一方的に想いを寄せられているが、そのことに本人は気付いていない。
旧フランス領ノルマンディー出身で、幼少期に家族と共にエスタンジア本国に移り住む。優しい家族や友人に囲まれ、双子の兄に守られながら充実した子供時代を過ごした。
兄妹が15歳になり、将来の進路を決めることになった時のこと。かねてから軍に入ると決めていた兄とは異なり、レナーテはまだ自分の行く末を決めかねていた。しかし軍の適格検査を受けるその朝、交通事故で兄は重傷を負い、戦場を駆け回ることが出来ない身体になってしまった。人生のチャンスを逃したと嘆く兄の前で、レナーテは自分が軍に志願し、兄の代わりに夢を叶えることを決意。遺伝子検査と厳しい選考を乗り越え、晴れて名誉の軍服に袖を通すこととなった。
エスタンジアの兵士らしからぬ、おっとりとした性格。誰とでも分け隔てなく接することがモットーで、尖った性格ゆえに孤立しがちなヒロタの数少ない話し相手になっている。昇進や手柄にはあまり興味がないが、漠然と「立派な兵隊になりたい」とは思っている模様。
ハニーブロンドの髪を三つ編みにまとめ、丸眼鏡をかけた素朴な顔立ちの女子。身長は低いがプロポーションには非常に恵まれていて、ヒロタ曰く「見る者全てを恋に落とす輝き」を放っているらしい。身に付けているのはエスタンジア陸軍の標準的な野戦服だが、胸が窮屈なので標準品よりワンサイズ大きいものを着用している。