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二度目の『ありがとう』は…
僕はやっぱり桜には伝えたいと思って、桜に短いメールを送った。
Fe:桜へ
今日会える?
駅前の公園で …送信中…
『送信中』の画面は、いつもより何倍も長く感じた。
そして僕は、公園で待った。10分後、桜が現れた。
(おはよう‥葵)彼女は少しぎこちない挨拶で、僕に話しかけた。
僕はイギリスに行くことを桜に伝えようと、「ねぇ桜…」っと話しかけたが、彼女に遮られた。
(あのさ、葵。私…葵と別れたい。)
「えっ…」何を言われているのかが、理解できなかった。
(葵といるとさ、私たち、やっぱり他のカップルと違うんだ…って)
(葵もさ、普通に話せないし、耳も聞こえないような彼女いやに決まってる。どうせ同情だけで付き合ってくれてるんでしょ!!)
「いや違う…そんなこと…」ない。と言おうとしたが、
(ごめんね葵‥今までありがとう)
と言われてしまった。
彼女の『ありがとう』は、今までで一番哀しい色をしていた。




