表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/10

頑張れ高見くん

佐山が亡くなってから約一週間が経った。早いもので、もう夏休みがすぐそこにきている。まあ期末テストは目と鼻の先…というか明日からで、地獄の一週間の始まりである。今日は桃子と高校近くのファミレスで勉強している。ここは穴場で、見渡す限りうちの高校の生徒で席が埋まっている。


「あれ、桃子?」

「優太!」


見上げると、桃子の彼氏の優太くん。と


「高見と一緒なんて珍しいね」

「勉強教えてもらおうと思って」


高見くん。目が合った。逸らされた。

優太くん達は、今空いている席を探していて、なかなかないらしい。私と桃子で4人席を使っていたので、優太くんと高見くんも一緒に勉強することになった。高見くんは英語が得意らしく、色々教えてもらった。電車の都合で、桃子と優太くんは先に帰った。高見くんと私は残って、もう少し勉強することにした。


「…で、ここはwouldになるわけ。」

「分からない。分からないです高見氏。」

「じゃあ休憩がてら夕食にしますか神崎氏。」


今更ながら、ここがファミレスであることに気づいた。お母さんに夕食いらないってメールしとこう。


「あ、時間大丈夫?休憩とか言ったけど、今日はもう切り上げようか?」

「や、私は大丈夫。むしろ今やらないと家でやりそうにないし。高見くんこそ大丈夫?」

「うん、元々夕食は外で済ませようと思ってたし。」


まじか。高見くん偉いな。と感心しながらメニューに目を通す。くっ…勉強した後だから肉汁の誘惑がいつもの倍だぜ…。チーズ…君はなぜそんな美しい黄金の輝きを放つ…。一面の銀世界…HA KU MA I…。ちくしょう!デブへの高速道路やないかーい!ha,ha,ha.

…なんだか泣けてくる。


「高見くん決まった?」

「うん」


じゃあ高見くんと同じのでいいや。と思って、彼に注文を任せたのだ。ここが、私の馬鹿な所だった。なに頼むかくらい聞いとけばよかったと後悔した。


「シーフードサラダお持ちしました」


(OvO)??いやいやいやいやサイドメニューやないかい!!メインはどこやねんああん???じらさずはよ肉にチーズに白米ださんかい姉ちゃんよ!!…落ち着け。待て待て、自分。だってぇ、サラダだけなんてことあるわけないじゃん。後で来るんだよ。今混んで…、うん。いやいや、高見くんに限ってそん………あれれれぇ?おっかしいなぁ??高見くんってこんなに細かったかなぁ!!!


「た、高見くん」


「他に何頼んだの?」


高見氏はキョトンとしている。はい、予感的中でーすおめでとうパジェロー


「シーフードサラダだけ、だけど?」


いやお前馬鹿だろ。私に女子力見せつけてどうすんだよ。本当馬鹿なの?お馬鹿さんなの?私はおばさんです♡とかくそおもしろくないネタ思いついちゃったよどうしてくれんですかコラァ。

もちろんそのあと私だけ追加でハンバーグ頼みました♡


やっとハンバーグきたと思ったら高見くんはもう食べ終わっていた。当たり前だけどね。私ひとりで黙々とこの可愛らしいジューシーハンバーグを味わって食べている。ふふ。


「神崎、何も言わずに聞いてくれる?」


食事中におしゃべりしちゃいけないってマナー知らないのかしらこの子。てか何この導入。恐喝ですか。とよからぬ考えが頭に浮かびつつ、とりあえず頷いた。


「実は俺好きな子がいるんだ。」

「うぇ!?誰?誰?桃子?優太く」

「黙って?」

「はい」


それから高見くんの話は続いた。


「うち、割と隣の中学校からきたやつ多いじゃん?で、もう入学式の時から割とみんな顔見知りって感じで、俺だけぼっちって感じで。で、すっごい嫌んなったんだけど、そん時にその子が話しかけてくれたんだ。遠足の時とかも、その子のおかげでクラスに馴染めるようになったし。」


ほー、いい子もいるもんだねぇ。確かに、うちの高校はほぼ私の出身中学から来る人多いよなぁ。私を含めて。桃子も優太くんもだし。


「正直、まだその子と出会って3.4ヶ月って所で、いまいち告う勇気でないんだ。俺チキンだから。だから、その、なんかこう、勇気出す方法とかないかな?」


しゃべっていい?とジェスチャーするとお許しをいただいた。まずハンバーグにごちそうさまを言う。


「高見くんは、誰がみてもかっこいいし、頭いいし、優しいし、理想だと思うよ?欠点見当たらないし。高見のこと、その子もきっと好きだと思う。」


自分でも無難な答えだなぁと思います。はい。高見くんはしばらく黙ってこちらに目をやった。


「神崎は、俺のことどう思う?」


やっぱり無難すぎたか。こういうの苦手なんだよね。自分の意見…。


「ええと、好きですよ?」

「それは、友達として?」


なんだなんだ高見くん。やけに食いつくな。私じゃなくてその子に聞けよ。


「その、本当言うと、俺が恋愛感情で好きなその子ってのは、…その子って、のは、

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ