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学級委員長の高見君



「高見くん、」


私を呼んだのは、学級委員長の高見くんだった。いつも穏やかに笑っていて、優しい雰囲気なのに、今日はなんだか違う風だった。どこか、緊張しているような、硬い印象を受けた。まあそうだよなぁ。クラスメイトが亡くなったんだから。それでも彼はいつも通りに私に接した。


「神崎がこんな時間に残ってるなんて珍しいね。…そろそろ、雨が降りそうだしもう帰ろう。」


やはり高見くんは優しい。きっと教室を早く閉めたいんだろう。なのに、雨が降りそうだから、なんて。あと、高見くんのことだから、私を女の子扱いして早めに帰らそうとしているのだ。さすが。佐山ならこうはいかないよなぁ。

うん、と返事をして、高見くんと教室を後にした。確かに、外はまだ明るいとは言え、こんな時間まで教室にいたなんて、と、時計を見て思った。


正面玄関に来て、ローファーに履き替える。廊下や教室もそこそこだったけど、玄関めっちゃむしむしするなぁと思ったら。


「…雨」


傘とか持って来てないよ…。つか、さっきの高見君の雨が降りそう、は本当だった。あの言葉に裏も表もなかったのかも。自分恥ずかしすぎやないかい。


「あれ、神崎傘ないの?」


そうだよ高見君。どうせ君は持って来ているんだろうよ。と、心の中で高見君に八つ当たりし、うん、とだけ返事した。


「実は俺もなんだよねー(´・ω・`)」


まじかよ、高見君。しっかり者の君が。なんてことだ。嘘つくなよ。と、心の中で疑いながら、そうなんだ、とだけ言った。


「雨上がるまで待とうか。」


どうせすぐやむからこれ、と付け足して高見君は空を見上げた。つられて私も空を見上げた。本当に、止むのかな、この雨。


「神崎、あのさ」


不意に、高見君の目と私の目があった。あった、というか、お互いに合わせたのだけど。


「実は言いたいことがあって」

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