第三章 やっぱり俺はデジタル派かな
「ヴーヴー」
「うーん…朝かぁ」
俺は朝が苦手だな。なんか、やけにキラキラしてるし。希望?的ななにかに溢れてるし。朝って、なんか優美?的な感じじゃん。だから、俺とは似合わない。
「ん?あっ、昼飯代ねっ!」
4人掛けの食卓テーブルの上に、1万円札が無造作におかれてる。これは、いつものこと。まぁ、俺がここに残りたいって言ったのだから、仕方ない。
「あっ、ヤバ!」
携帯が、8時23分であることをつげている。いつもは、30分に家を出る。まぁ、夏休みである、夏期講習の時だけだけど。俺は支度が早い方だと思う。だって20分で終わる。寝癖つかないし、髪に特別なこだわりもないし、食べないし。だからか。それに比べて、友太郎は遅いかも。友太郎は、いつも学校に一緒にいってる友達?俺はそう思ってるけど、友太郎は違うって、いっつも怒る。怒らなくてもいいのに。友太郎は俺に、少し冷たい気がする。まぁ、友太郎の場合はクラスの皆にもあぁだけど。いっつもツンツンしてて、クラスでも、ちょっと浮いてる。それを皆は冷たいとか、話しかけずらい、とかいってるけど、俺は、クールで余裕があって、かっこいいと思う。皆も、早くそのかっこよさに気づいてほしい。
よし、なんとか間に合いそうだ。8:36だけど、6分くらいは、無視だ。
「あれぇ?」
友太郎の家の前まで来たけど、人の姿がない。いつもなら、眉間にスッゴイしわ寄せて、腕組みまでして、丁寧にイライラしてますって表して、まっているのに。8:52だと、携帯が言ってる。さすがに、やばい?
「おーい、アナログくん‼」
「うっせ、能無し!」
はぁー、クラスではいつもクールなのに、こういう時は、うるさいよなぁ。
「脳みそなら、あるよ?」
「いいから黙れ‼」
そして、悪口も下手くそだ。それにしても、今日は、遅いな。
「友太郎、早くしてー」
急ぐったって、走れないくせに。
「おっ!でてきた、おはよ。」
「ん。」
「おー、今日もクールだね!」
「うっせぇ」
いやぁ、本当、かっこいいな。
「早くは走れ!」
「でも友太郎、俺走って、ついて来れるの?」
「うっせぇ」
案の定、いや、まだわかんないけど、遅刻だ。友太郎のせいだ。
「鈴木、南、そのまま立ってろ‼」
「はい。」
「えー先生、遅れたっていっても、15分くらいじゃん!ケチ。」
「お前っ、すいません。」
「15分くらい、とはなんだ!後で職員室に来い‼」
「…はい」
「えー!」
あーあ、俺あの先生嫌いだわ。
「ちー、反省文とか、面倒臭い」
「こっちのセリフだ!」
違うしぃ。友太郎が遅いからだし。まぁ、俺もおそかったけど。
「南くぅーん」
?あぁ、クラスの女子ね。反省文のことを、その後、散々慰められた?でも、その言葉は、全部覚えてない。ただ、周りでなんか話してたかな?程度。簡単に言えば、クラスの人が、苦手なのかもしれないな。
クラスの人だけじゃ無く、俺は人が駄目かもしれない。だって人って、感情があるじゃん。それがあるせいで、いろんな可能性ができちゃって、どれが正しいのかわかん無くなる。でも、機械って、事前に全て決まってて、間違いないじゃん。
俺は余裕が無い。から、全て決まってて、全て正確なのがいい。
俺は正しい物、デジタルしか頼れない。
母親のような、アナログ的な古いいつか壊れるかもしれないものは、正確じゃない。
でも、アナログ的な古いのだって、友太郎みたいのなら、正確なのかな。
でもまだ、俺はデジタル派かな。
第三章、いかがでしたか?
今回は、南目線の話しでした。
次回は女の子の話しです。よろしくお願いします。