母さんが、エプロンを着ていた
お久しぶりです!!
「直〜、おきなさぁい!」
「んあぁ…おはよ。」
「おはよう」
したに降りる。そしたら、母さんがいた。ベージュのエプロンを着ていた。なんだか、おかずの匂いがしてきた。
「今日、弁当なの?」
「なんなの?直。いつものことじゃない」
「…そっか」
なんでだろうか。今日は弁当。それが、妙に嬉しい。母さんの言った通り、いつものことな筈なのに。
やった…と、心の中で、喜んだ。
母さんの「早くしなさい!」って言葉に、俺の目覚めたてでまだ重たい体が、押された
。
一通り準備を済ませ、最後に、鞄の中に弁当を詰め込んだ。その瞬間俺は、遠足に行く小学生のような、ふわふわした気持ちになった。
…今日は、おかしいなぁ。
「いってきまーす!」
起きてから時間がたち、ずいぶんスッキリとしたこの俺の声が、部屋に響いて、跳ね返ってくる……その前に
「いってらっしゃい」
と、母の声が返ってきた。
また、ふわふわとした。
俺は外にでて、空を見上げた。太陽が、雲が、空が……キラキラとしていた。
真夏の太陽。大きくて、丸くて、赤…というよりは白くて……キラキラとしていた。
真夏の空。青くて、汚れが無くて、爽やかで……爽快だった。
青空に浮く雲。真っ白で、ふわふわと軽く、ただ流されて……自由だった。
何をとっても、キラキラとしていた。
空には、希望が溢れかえっていた。
そんな空を見て、俺は
「ステキじゃん」
って思った。というより、声として俺から出てきた。
そして思った。
今日の俺の、このふわふわとした気持ちが、この空と、似ている…と。
何か特別なものがあるわけじゃない、太陽と雲と青さしかない、あの空。
何か特別なことがあるわけじゃない、母さんがエプロン着てて、弁当があった、それだけのこと。
なのに、キラキラ、ふわふわしている。
だから思った。よく似ている…と。
「あなたの好きな、自分でいて。」
…?なんの、声だろう。
直くんでした!最近は、書くペースが落ちてしまっています。これでわいけませんね!少しでも面白いと思ってくださるよう、頑張ります!