第十二章 我慢するけど、解らないってやっぱ怖いんだよね-山本 伊代里-
この話しは、とにかく苦労しました…。
「うー……」
ここ、ここが、あのダウン着た人が言ってた
私たちの部屋?かな…。来た時から思ってたけど、薄暗くて、なんか…嫌なところ。
「あの人…アオイさんは、“夢の世界”なんて言っていたけれど、そんなメルヘンな場所じゃないね。」
壁は真っ白で…いや、青白くて、窓はあるみたいだけど、それも壁とおんなじいろをしていて……それ以外に色があるとすれば、私と、アラタさんの、服や肌、髪の色くらい。こういうところを、無、っていうのかな。子供だからか、幼いからか、うまくこの場所を言い表せはしないけれど、とにかく、普通では無いことは解る。
「ねぇ、アラタさん。能力がどうのこうのって言ってたけれど、どうして?その能力はなんで必要なの?」
「…っ。…」
「ん⁇」
なんで、しゃべらないの?こっちは、聞いているのに…
「マスクまでつけて、どういうつもり?なんもしゃべっ」
「っ…」
あっ、そういえばこの人、しゃべれないんだ。あの時だって、代わりにアオイさんがしゃべってた。…
「ごめんなさい。」
「!…」
なんて失礼なこと言ったんだろ。…でも、これからの行動、どうしよう。なんにも解らないのに。
「……」
「ん?」
手を合わせて、目をつむっている。。。ごめん、ってことかなぁ…
「いや、謝らないといけないのは、私です。確か、アラタさんは、しゃべったら相手を眠らせてしまう。ですよね?」
「…」
首を縦に振った。あってるって事だ。こうしていけば、コミュニケーション、取れるかもしれない…いや、ダメだ。はいかいいえ、しか言えないんだもんな。………こうなったら、もう仕方ない。だから、せめて、一つだけ。
「ねぇ、アラタさん。」
「?」
「アラタさんといれば、大丈夫なんですよね?」
「!…」
この反応は、ニコ…。大丈夫なんだ。
私は子供だから、ここが怖い。
話しもできないから、こうしているのが不安。
でも、大丈夫ってことは、知りたかったんだ。
本当は、アオイさんが言ってた、可能性をしりたかったけど。聞いても解らないし、アオイさん、嘘つきな人、だなぁ。
結局、なんにも解らないけどさ。
…………………大丈夫、だよね?
アラタがしゃべれない…どうしよう!っと思いました。
どうでしたか?話し、ちゃんと書けてたか、不安です。。。