なんか人助けっぽい
出かけるまでは色々と大変だった。
身長が10センチぐらい小さくなるとか、今まで隼を上から目線で見ていたのに今は見下ろされる感じになっているからイラッと来た。
厳つい連中たちに見つかり説明をすると、
「おぉ、これからはお嬢だ―」
となんかテンションを上げていた。
昔は母さんをそう呼んでいたらしいが俺たちが生まれてから呼ばせてくれなくなったらしい。ちなみに現在は姉さん。
そして親父の反応は……
「よっし、女になって何かと不便だろう、これをくれてやる」
黒い1枚のカード。世にゆうブラックカード。
見た目ごっつい、中身は頑固とゆういかにも昭和の頑固おやじを形にしたような父であるがその実態は日本でも名を知られるような大きな会社の社長だったりする。母さんloveなので基本は仕事が終わるとすぐに入れに帰ってくる。
ごっつい男と若く見える女性がどのようにしてであったのかが不思議だ。
そんなごっついくせに何気に顔だちのいい親父のことはどうでも良しとして、この後が一番の難題であり、俺の……男として絶対に乗り越えてはいけない壁を乗り越えた時だった……
つまり女物の服を着させられたとゆうことだ。
もちろん下着も込みで。
スカートはさすがに何が何でも嫌だったのでジーパンで許してもらった。等価交換はあったが。上は女性用のYシャツ。下着は母から借りた。かなりいやいやではあったが。
よっし、これでさっさと買い物に行くか、と思った時
「さ~て髪型をどうしましょうか」
と母がノリノリになっていた。
はっきり言おう。
自意識過剰ではあるかもしれないが中学の時はそれなりにモテていた。「鋭い目つきがかっこいい」「隼君は紳士的だとしたら、奈弦君はかっこいい系だよね」と言われており、高校では静かに高校生活を楽しみたかったのでわざと地味になるよう……的な格好をしていた。
正直ゆうとあまり人に見られるのが好きではないのである。
ゆえにガードと言わんばかりに前髪とメガネでかくしていた。
メガネは元々目が悪かったからだ。目は多少は何か影響でよくなったのだがメガネはなるべくあったほうがいい。
そんなことかまわず母さんは、
「奈弦が目立っているんではなく、私が目立っていると思えばいいのよ」
多少は気にしてくれていたのだと思う。
今思えば単なる俺の髪で遊びたい口実だったのだとすら思う。
「やっぱり王道のポニーテール?、それともツーサイド…でもサイドも……」
となんかごちゃごちゃ言っていたが寝癖の付いた髪を直すだけで終わった。
あえていうなら、ピン止めで前髪が見える程度にとめられたことかな。
ちなみに髪は肩した10センチぐらいの長さだ。黒髪のな。
出かけても使うときは最低限にしようと思った。
そんでやってきました。商店街。
現在、母と俺と隼だ。隼は男ってゆうことで荷物持ち。
出かける前に母さんに一言注意を入れられた。
「ちゃんと言葉遣いは女の子っぽくしなさい」
だそうだ。
母さんを怒らせると後が怖いので素直に従っておく。
普段温厚な人をきれさせるとホントに怖いよね。
その遺伝を受け継ぐ隼もしかり。
そうして一番最初に来たのがランジェリーショップ。
拒否しまくったが母の一睨みで素直に従った。
最初はスリーサイズを測り…これ以上は言いたくないのでご想像にお任せする。
服屋はとにかくいろいろと。
ものすごく疲れた。
ほとんど母さんの着せ替え人形みたいな感じだし。
色々と買い物をしているとお昼頃。
取りあえずほかの所も見たかったので母さんとは別行動。何かあったら組のものを呼べとのこと。
母さんに昼飯代をもらい、どこかで飯を食べるべく街中をあるっていた。
1人で動いて数分、店と店との間の空間で3:1ぐらいで男たちがもめているのを目撃した。
取りあえず警察に連絡。
そして見逃しておくのも癪に障るので助けることにした。
どうやらカツアゲか何かのようであった。
「かっこいいお兄さん、俺たちにちょっと金かしてくんねえかな」
「断る。お前たちなんかに貸す金などない」
「どうしてもって言うんだったら、ボコッて金を巻き上げるしかねえか」
そうしてカツアゲをしようとしている不良が金を巻き上げる対象の男を殴る。
腹を、顔を、何度も何度も。
「軽く痕の残んない程度やんよ。サツに見つかったら面倒だからな」
その時、俺の何かが切れた。
俺はそいつらに向かってあるって行くと、不良がこちらに気づき、
「おお、上玉の姉ちゃんじゃねえか、こいつの代わりに俺たちのストレス発散の道具にでもなってくれんにか?」
「……」
あきれて何にもえ言えない。
「いざきてみてもビビッて何にも出来ねえのかよ、ギャハハハハッ」
こいつら潰そう。
俺はゆっくりと口を開き、
「あんたら男の風上にも置けねえ屑野郎どもだよ」
「…っ!ん、だとぉ!このアマ!!」
不良たちはいっせいにこちらに向かって殴りかかってくる。
大ぶりな拳、軌道がわかりやすすぎる。
一人ではなく全員だ。
ゆっくりと体を動かしてかわしつつ肘で殴ったり、回し蹴りをしたりでアッとゆう間に男どもを気絶させる。
不良たちに殴られてダウンして壁に寄りかかっている男に近づく。
男っぽい口調だと変に思われるだろうから、女っぽい口調で、
「平気……じゃなさそうね。取りあえず私がよんだ警察がもうそろそろここに来るからここから逃げるよ」
「……はぁ?」
「『はぁ?』じゃなくて早くここから逃げないと面倒なことになるから」
彼の手を引っ張り、走り出す。
「おい、ちょっとっ!?」
しばらく走って公園が見えたのでそこまで行く。
「ふぅ、ここまでくれば安全か」
「ハァ、ハァ……あんたいったいなんなんだ、いきなり不良たちを殴ったりして」
彼は体をフラフラさせながら心なしか赤い顔で言う。
「ただのお節介焼さ、それより大丈夫?」
「それより大丈夫?じゃなくてだな、あんたはなんで女なのに不良どもに不可っていったんだ?」
「質問を質問で返さないで、イラッとしたから。以上。それにあなた今風邪かなにか病気っぽいでしょ」
「!?…い、いや俺は別にそんなんじゃねえよ」
図星か。走ったのはたったの80mぐらいだけどそれくらいで息を切らせるのは変だし、足元がふらついているのが不自然だ。
取りあえず見栄を張るっていうんだったら崩してやりたくなる。
すぐ前にいた彼の額に自分の額を合わせて、うん、熱い。
顔を離すとかなり赤面していた。
「ほら、見えなんか張らないでおとなしく病人はおとなしくしておきな」
彼の腕を引っ張りベンチに座らせて近くあった自販機でスポーツ飲料をって彼の所へ行く。
「しっかりと水分補給はしておきなよ」
と彼の横に置き立ち去ろうとする。
「ちょっと待ってくれよあんた、ここまでしてもらってさすがに悪い。今度礼がしたいから名前を教えてくれないか?」
振り返って彼を見ると
そーいやこいつの顔、どっかで見たことあんだよなー。
とゆうことを思ったがこいつがあまりにも律儀なので軽く笑ってしまう。
「ありがたく親切としてうけとって、言ったでしょう。ただのお節介焼だって」
そう言って立ち去ろうとすると後ろから
「俺の名前は相川信也だ、覚えてくれたらでいい、覚えていた時は俺を頼ってくれ」
……相川かよ、クラスメートの。なんでよりによって……。
「もしも覚えていたら、頼るよ。相川君」
そう言って立ち去った。
主人公クラスメートのイケメソにフラグを立てましたwww
これからどうなるのでしょうね?