2日目の夜 続
お久しぶりです。
ネタ切れを起こしてたりした柴月です。
今回もぐっだぐだだがよろしく。
side; 奈弦
「んっ……あい…か…わ…?」
急に大きな音がしてそこにはこの宿の同じ部屋の相川がいた。
相川はこちらを驚愕の目で見てくる。
主に俺の顔を。
……俺の顔?
体を起すと、頭に重量感があるのを覚えた。
不審に思って髪を触ると……黒くサラサラとした長い髪……。
ってちょっと待て、ウイッグは?
まさか寝る前につけ忘れたとか?
たぶんそうだ。俺ならやりうる。
じゃあ、脱衣所か。
「……」
相川は口を開けっ放しにしながら状況が理解できずにいた。
俺は素早く洗面台に行き、ウイッグを装着。
再びベットに戻って、
「相川お休み」
俺は眠りに……
「お休m――って違うだろ!さっきまでの流れはどうなったんだよ!」
つけなかった。
ナイススルーになったと思ったんだけどな。
侮りがたし、相川。
俺は意を決して説明することにした。
「わかった分かった。説明するから落ち着け」
とゆうと相川はゆっくりとその場に座った。
床だが。
それに比べて俺はベットの上だ。
主論正座の状態には戻っている。
「で、質問は?」
「お前、女なのか…?」
「yes、とは言いたくないが肯定だ」
本当にこの状況が否定できるならしたいさ。
「じゃあ、お前はあの時、助けてくれた女子なのか?」
「そうだ…な。認めたくはないがその通り、その時の女子だよ俺は」
そうしてしばらく沈黙が続く。
部屋には一番最初と同じように時計のカチカチと言う音しか聞こえない。
……いったい何分立っただろう。何時間かもしれない。
結果が何分だろうとしても時間がとても長く感じられた。
そしてその沈黙を破ったのは相川だった。
「その…だな、あの時はありがとう。あん時は礼を言ってなかった」
「別に気にすることではない。ただ家の家k――」
うっかり家訓とか『ヤ』が付きそうなうちのルール的なことだと言いそうになった。
「それでも礼が言いたかったんだ。俺は」
そしてなぜかその言葉を言うと同時に相川の顔が赤面する。
何故だ?
そして今度は俺が疑問を問う。
「お前は先生にこのことを言うのか?」
「お前が行ってほしいんだったら言ってやるよ。助けられた礼もあるからな」
「恩に着る、相川」
そういうと相川は一瞬目を点にして、
「ぶっ、ぶはははははっ!なんだよその一昔前みたいな言い方!」
笑った。
昔からこれが普通だと思って生きてきたから笑われるのは当然と言えば当然か。そして何かけなされた気がした。
「それによ、あん時に言ったろ、覚えてくれたらでいい、覚えていた時は俺を頼ってくれって」
「そんな臭いセリフを言われた気もする」
「臭いって言うなよ!ん、まぁ、この件についてはお開きっつうことで」
なんとも無理やりな形だがこの件については終わりにしようと相川が言った。
「そんじゃ、お休み」
「お休み」
やっぱり無理やりだなと思いつつベットに横になる。
そして、
「ありがとな、相川」
小さくつぶやいた俺のセリフは聞こえたのかどうかはわからない。
久しぶりの更新なのに短い…
あ、感想まっています。