第6話 代償
驚愕する虚たちの前に立っていたのは、書記の染谷結、会計の澄川厳だった。
「あ…まだ能力言ってなかったっけ?」
「おい、伝えとけつったろ…。」
「まぁいい、キミたちに伝えなければいけないことがある。」
「な…なんですか?」
恐る恐る虚が質問する。
「キミたち、つーか全人類なんだがな、怪能には代償がある。
「リ…リスク?」
「ああ、俺たちにも勿論リスクはある。俺の怪能は誰でもない者の素顔。リスクは肺への負担。一時的に呼吸がしづらくなっちまう。厳の怪能は命を削る清算。リスクは超頭痛。」
「アハハ、今もこう見えてすっごい頭痛いんだよ」
すました顔でそういう。
「もう用は済んだし帰ろう。」
「いや…でもまだ…」
「休むのも仕事のうちだよ?」
厳は優しく微笑んだ。虚が疲れていることに真っ先に気付いて励ましたのだろうか。
「……ア…アリア…オウ…」
「え?」
帰ろうと刃を背負ったその瞬間だった。大型不適合者が虚たちに向かってそう言ったのだ。そして、力を使い果たしたように、目を閉じた。
一瞬戸惑いもしたが、状況を理解して色々な感情を抑えながら不適合者に合掌をする。
「来世では幸せに生きてね。」
涙を堪えながらそう言った。
「……うわあ! やべぇ倒れてた!?」
「もう終わったわ寝坊野郎。」
「もうちょっと寝させて〜…。」
「降りろ馬鹿!」
「ア〜色々あって疲れた〜…」
ベッドに横たわる虚。
「もう寝よ。」
まだ夕方だったが身体が疲れ切っていたこともあり休息をとることにした。
「ド…ドドド…ドド」
「ん…ん?」
「ドッドド♪ドッドド〜♪」
「な…なんだ?」
虚の目の前には楽しそうに踊るバケモノがいた。しかも見知らぬ場所、全体的にどんよりとしていて気分が悪くなるような場所だ。
「ド…ドドド…ドオオオ〜〜〜!!」
「!? うわあああっ」
目を覚めると、いつもの天井。しかも汗だく。
「なんだ、夢か…嫌な夢。」
「休息をとるつもりが、逆に疲れちゃった。」
朝から縁起が悪かったが、とりあえずお風呂に入ることにした。
「しっかしなんだったんだろうな、あの夢…悪夢ってやつ? しかもでっかい何かが目の前で踊っていたような…」
「今度会長に話してみるか…」




