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6章

「というわけでそこの領地に行きたい人を募集したくて」


 領民のみんながうむと唸る。


「ほんとに信じていいのかい?」


「移民組はもう信じないよ」


 あちこちから声が聞こえる。


「大丈夫です。僕の講習を聞いて賛同してくれてますから。きっともう心配するようなことはないと思いますよ」


 安心させるためにそう言っても未だに疑念が渦巻いているのが身に染みてわかった。


「まぁ、強制はしませんから行きたかったら教えてください」


 そう伝えて今日のところは引き下がった。




 次の講義の日、レイモンドはミュースに話しかけられた。


「領民の件、どうなってますか?」


「みんなほかの領地でも大丈夫と言っているのに行きたがらなくて」


「まぁ長年住みついた地の方がいいですからね」


「なんかすみません」


 いいえ、と領主は首を振った。


 優しいな、と思うと同時に迷惑ばかりかけていられない、と思い始めた。




「最近、あのシスコンの様子はどうですか?」


「領民を恵んでもらえることになったんですよ」


「それはいい!領主公認で家畜を送ってもらえるなんて羨ましいですなぁ」


「もしよろしければ……」


 灯された蠟燭に虫が突っ込んで、死んだ。

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