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3章

「ありがとうございました」


「いえ。皆さんで使ってください」


 僕は水不足と聞き、魔法で水を発生させた後、それを分配した。


 領民たちがつかえるのは第二階梯の自然操作魔法や第三階梯の自己強化魔法ぐらいだ。そのため、第一階梯で水を発生させておけば、あとは領民たちがやってくれる。


 山積みになっている書類を思い浮かべながら帰り道に着くと、


「あ、レイム!」


 呼ぶ声が聞こえた。ふりむくと、野菜を抱えて小走りに近づいてくる影をとらえた。


「メイル!元気か?」


「元気に決まってるじゃ~ん!」


 このやかましい女の子はメイル。幼馴染でよく遊んでいた仲だ。


「これ!もしよかったら持ってって!」


 袋の中にはこの町の特産品であるキャロイモが入っていた。キャロイモは主食にもなる万能食で、マナを有している。


 マナというのは人間の魂が持つ外殻をもろくするものだ。魔法は魂が持つ生命エネルギーを魔力に変換して放つのだが、マナを消費することで外殻が緩くなり、生命エネルギーから魔力への変換効率が上がるのだ。


「おう、助かる!ありがとな」


「いいのいいの。いつも助けてもらってるし!」


 そういうとメイルは自分の農地に帰っていった。




「講習会の講師として招待?」


 メイルからキャロイモをもらってから数日後、帝都から手紙が来た。


 どうやら最近帝都の中でもうちの領地が話題に上がっているらしい。やけに帝都発の移民が多いと思ったらそういうことか。


「うちの領地経営に興味がある人が多い…か」


 別にこの方法を独占するつもりはないのだが、果たしてこの方法が受け入れられるだろうか?


 そんな不安を抱えながら帝都に「了解」という文面を送ったのだった。

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